眞玉橋ノブ

眞玉橋ノブの生涯と看護への貢献

眞玉橋ノブ（1918年11月21日 - 2004年1月31日）は、沖縄における近代看護制度の基礎を築いた看護師であり、看護教育者です。彼女の人生は、戦争と平和の激動の中で献身的に看護の道を歩み続けたものでした。

生い立ちと看護の道へ

沖縄県首里市に生まれたノブは、5人兄妹の中で次女として育ちました。父親は地元の学校で働いており、彼女は幼少期から教育に親しんできました。特に感銘を受けた映画があり、その影響が後の看護師としての道に結びついたと語っています。

1935年、県立第一高等女学校を卒業する頃、看護分野への道を見出します。時代は戦争の影響を色濃く帯びており、当時の女性にとって「お国のために尽くす」ことは困難ながらも名誉ある選択とされました。この思いが、彼女を日本赤十字社沖縄支部の看護婦養成所への道へと導いたのです。

沖縄戦と看護活動

1945年、沖縄戦が激化し、ノブは沖縄陸軍病院で看護婦長として従軍しました。彼女は、夜も眠らず昼夜を問わず戦傷者の看護に当たったとされます。極限の状況の中で示したその献身は、多くの傷病兵から信頼を集めることになります。「眞玉橋婦長はいつ来てくれるのか」と慕われた彼女の姿は、まさに慈母そのものでした。

戦闘が熾烈を極める中、彼女は解散命令を受けて勇敢にも伝令役を自ら志願し、危険を顧みず任務を遂行しました。最終的に捕虜となったものの、その活動の数々はその後の沖縄看護史に残る偉業として語り継がれることとなります。

戦後の看護制度の再建

戦後の沖縄は多くの傷病者や孤児を抱えた状況であり、ノブはその再建に立ち上がります。当初はテント病院などで看護活動を行い、続いて孤児院での勤務を通じて家庭を失った子どもたちを支えました。彼女の献身的な看護は、孤児たちから母のように慕われる存在となっていきます。

1946年には沖縄中央病院の看護婦長に就任し、看護教育を推進する役割を担いました。彼女の指導の下、看護婦養成所が設立され、沖縄看護の教育基盤が整い始めます。

看護教育の進展と影響

1950年代、ノブは看護教育をより充実させるため様々な制度改革に取り組みました。看護学校の入学条件を引き上げ、高度な看護人材の育成に尽力しました。また、琉球大学との連携を進め、看護教育の水準向上を目指しました。

さらに、1951年には沖縄群島看護婦協会を設立し、地域の看護職の向上と連携を図るなど、行政においても看護制度の確立に寄与しました。

詩的活動と晩年

1985年にはフローレンス・ナイチンゲール記章を受賞し、彼女の46年間にわたる看護への貢献が認められることとなります。晩年もノブはボランティアとして活動を続け、戦争による苦しみを忘れずに追悼活動に尽力しました。

2004年に86歳で亡くなった彼女の人生は、多くの看護職者に影響を与え、沖縄の看護職の発展に寄与し続けています。眞玉橋ノブの名は、沖縄の看護の歴史にその名を刻み続けることでしょう。

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