真夜中の太陽を君は知らない

バックドロップシンデレラが2017年に発表したミニアルバム『真夜中の太陽を君は知らない』は、彼らの音楽性の幅広さと進化を強く印象付ける作品です。2009年の『脳から花』以来、約8年ぶりとなるこのミニアルバムは、先行シングルとしてリリースされた「フェスだして」を中心に、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。

「フェスだして」は、その名の通り、フェスへの出演を熱望するバンドの心情をユーモラスに表現した楽曲であり、多くの音楽ファンから共感を呼びました。そして、この曲に対するアンサーソングとして制作された「フェスでれた」は、見事フェス出演を果たした喜びと興奮をストレートに表現しています。これらの楽曲は、バックドロップシンデレラの持ち味である、コミカルでありながらも熱いメッセージを伝えるスタイルを象徴しています。

さらに、このアルバムには、誰もが知る名曲「およげ!たいやきくん」のカバーがボーナストラックとして収録されています。ポンキッキーズの番組45周年を記念して制作されたこのカバーは、原曲の持つ魅力を尊重しつつ、バックドロップシンデレラならではのアレンジが加えられています。彼らの音楽的な遊び心と、幅広い世代へのリスペクトが感じられる選曲と言えるでしょう。

アルバム全体を通して、バックドロップシンデレラのメンバーそれぞれの個性が際立っています。でんでけあゆみの独特なボーカル、豊島"ペリー来航"渉のギタープレイ、アサヒキャナコのベースライン、そして鬼ヶ島一徳のドラムが一体となり、唯一無二のサウンドを生み出しています。また、THE ラブ人間の谷崎航大がヴァイオリンで参加しており、楽曲に深みと彩りを加えています。

『真夜中の太陽を君は知らない』は、バックドロップシンデレラの音楽的な進化と、遊び心に満ちた創造性を堪能できる作品です。彼らのファンはもちろん、幅広い音楽ファンにおすすめできる一枚と言えるでしょう。

収録曲
フェスだして
フェスでれた
その他
[およげ!たいやきくん]

演奏
でんでけあゆみ - ボーカル
豊島"ペリー来航"渉 - ギター、ボーカル、コーラス
アサヒキャナコ - ベース、コーラス
鬼ヶ島一徳 - ドラムス、コーラス
* 谷崎航大(THE ラブ人間) - ヴァイオリン

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