真桑人形浄瑠璃

真桑人形浄瑠璃（まくわにんぎょうじょうるり）は、岐阜県本巣市上真桑地区に伝わる、由緒ある人形浄瑠璃です。地元では「真桑文楽」とも呼ばれ、その歴史は元禄時代にまで遡ります。この人形浄瑠璃は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、継承団体である真桑文楽保存会によって、その伝統が大切に守り伝えられています。

起源と歴史

真桑人形浄瑠璃の起源は、元禄時代に真桑用水の開発に尽力した福田源七郎の遺徳を称え、氏神である物部神社の祭礼に合わせて人形芝居を上演したのが始まりとされています。祭礼は春分の日の前日とその当日に行われ、地域の人々にとって大切な年中行事となっています。300年もの長きにわたり、人形芝居は地域の人々に愛され、育まれてきました。

レパートリーと人形

真桑人形浄瑠璃のレパートリーは約20あり、『伽羅先代萩』、『絵本太功記』、『傾城阿波の鳴門』、『奥州安達原』、『日吉丸稚児桜』、『蓮如上人一代記』などの時代物や、『真桑誉義農源七郎』のような地元に題材をとった作品が上演されます。人形は、かつては人形遣いが一人で操る「一人遣い」でしたが、後に大阪文楽の影響を受け、三人で一体の人形を操る「三人遣い」へと変化しました。所蔵されている人形の頭（かしら）の中には、大阪文楽でも名前しか残っていない貴重なものが含まれているそうです。

真桑の人形舞台

上演会場である「真桑の人形舞台」は、国の重要有形民俗文化財に指定されています。この舞台は、人形浄瑠璃を上演するために特別に作られたもので、歴史的・文化的価値が高い建造物です。

後継者育成の取り組み

真桑文楽保存会は、真桑人形浄瑠璃の伝統を未来へと繋げるため、後継者の育成にも力を入れています。本巣市立真桑小学校や本巣市立真正中学校などで、子供たちが人形浄瑠璃を演じる取り組みが行われており、次世代を担う人材の育成に努めています。

関連情報

真桑人形浄瑠璃に関心のある方は、以下の情報も参考にしてください。

文楽: 人形浄瑠璃の代表的な流派
本巣市民文化ホール: 真桑人形浄瑠璃の上演を目的とした施設
* 文化庁国指定文化財等データベース: 真桑の人形舞台、真桑人形浄瑠璃に関する情報

真桑人形浄瑠璃は、地域の歴史と文化を伝える貴重な芸能であり、地元の人々によって大切に守り継がれています。

もう一度検索