真榊

真榊（まさかき）について

真榊は、日本の神事において重要な役割を持つ祭具です。神前に置かれる装飾品で、祭壇の左右に配置されます。具体的には、五色の絹の幟（のぼり）を用意し、それぞれの先端に榊の枝が立てられます。そして、これらの幟には、三種の神器が掛けられます。左側には剣が、右側には鏡と勾玉がそれぞれ取り付けられます。この全体を「真榊台」と呼ぶこともあります。

真榊の起源は、日本神話に遡ります。「天石窟での五百津真賢木」という故事が、その名前の由来とされています。また、古事記の景行紀や仲哀紀にも関連する記述が見られ、長い歴史を持つ祭具であることがわかります。特に明治天皇の即位に際しては、全国の神社での装飾にも真榊が使われ、伝統的な重要性を再確認させました。

出雲大社では、真榊の具体的な設置方法が定められています。そこでの義務としては、榊の枝が5～6尺の棒杭に装着され、右側の榊には玉と鏡、さらに五色絹が懸けられます。そして、左側の榊には剣と五色絹が取り付けられます。これにより、神聖な空間が演出され、より敬意を表されるのです。

また、真榊の五色の絹は、陰陽五行説における天地万物を形成する要素、木・火・土・金・水を象徴しています。このため、真榊は単なる装飾品以上の意味を持っており、神聖な儀式の中での位置付けが強調されています。

さらに、葬祭においても真榊は用いられますが、その際は特に黄色と白の幟が使用されることが多いです。このように、真榊は宗教的な儀式や風習において欠かせない存在であり、神事の様々な場面で見ることができることでしょう。神社を訪れるとき、真榊の存在を意識することで、その背景や御神事の意味をより深く理解できるかもしれません。

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