真鍋安政

真鍋安政（まなべ やすまさ）氏は、1948年11月5日に山口県宇部市に生を受けたプロ野球選手です。主に内野手としてプレーし、右投げ右打ちでした。2016年11月5日、68歳でその生涯を終えました。

彼の野球キャリアは、地元の宇部鴻城高等学校で始まりました。高校時代、真鍋氏はチームの主将としてリーダーシップを発揮し、グラウンドでは攻守両面において中心的な役割を果たしました。特に打撃においては、高校通算打率.318という優れた成績を残し、強打の内野手として注目を集めました。守備でも安定したプレーを見せ、チームに貢献しました。

高校時代には、春の中国地区大会でその才能を遺憾なく発揮しました。特に準決勝では、当時強豪校として知られていた下関市立下関商業高等学校との緊迫した試合を制する原動力となりました。この活躍により、真鍋氏は中国地方の高校球界において、数少ない「打てる大型内野手」として高い評価を得ました。将来プロでの活躍が期待される存在として、広くその実力が認知されていました。

高校での輝かしい実績が評価され、真鍋氏はプロ野球界への道を切り開きます。1966年に開催されたドラフト会議（当時の第1次ドラフト）において、読売ジャイアンツから4位指名を受けました。これは、当時のドラフト制度において、将来的な戦力として期待される選手が多く指名される順位であり、伝統ある巨人軍から指名されたことは、彼の高校時代の実績がプロのスカウトにも強く印象付けられていたことを示しています。こうして、真鍋氏はプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

プロ入り後、真鍋氏は1967年から1972年までの6年間、読売ジャイアンツに在籍しました。この期間、彼は背番号48を着用していました。彼がジャイアンツに在籍した時期は、チームが日本プロ野球史上空前となる9年連続日本一を達成した、いわゆる「V9」と呼ばれる黄金期と重なります。当時のジャイアンツには、王貞治氏や長嶋茂雄氏をはじめ、多くの実力派選手やスター選手が揃っており、チーム内の競争は非常に激しいものでした。

このような層の厚いチーム環境の中で、真鍋氏は一軍の舞台を目指し、日々練習に励みました。しかし、残念ながらプロ入り後の6年間で、一度も一軍公式戦のグラウンドに立つ機会を得ることは叶いませんでした。彼のプロとしての活動は、主に二軍での育成や調整に費やされたと考えられます。プロの世界の厳しさを肌で感じながらも、与えられた場所でベストを尽くしていたことでしょう。

プロの世界の厳しさ、そして一軍の分厚い壁に阻まれ、真鍋氏はプロ野球選手としてのキャリアを終える決断を下しました。1972年シーズン限りで、彼は現役を引退しました。

短いプロ野球生活ではありましたが、真鍋安政氏は高校時代に主将としてチームを牽引し、強打の内野手として中国地方にその名を轟かせた選手です。ドラフトで指名されプロの門を叩いたものの、一軍出場を果たすことなくユニフォームを脱いだ彼のキャリアは、プロ野球界の厳しさを物語る一例と言えるでしょう。彼の野球人生は、高校時代の輝かしい実績と、プロの世界での挑戦という二つの側面によって特徴づけられます。

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