真鍋武紀

真鍋武紀：香川県政の改革者

真鍋武紀（まなべ たけき、1940年4月3日 - ）は、日本の政治家、農林水産官僚であり、香川県知事を務めた人物です。彼は、激動の時代に香川県政を担い、財政再建や県産品ブランドの育成に尽力しました。

生い立ちと官僚時代

真鍋武紀は、日本統治下の朝鮮、現在のソウル市で生まれ、後に香川県三木町に移りました。香川県立高松高等学校を経て東京大学法学部を卒業後、1963年に農林省に入省しました。農林水産省では、大臣官房企画室長や水産庁漁政部長などを歴任し、環境庁水質保全局長や農林水産審議官も務めました。1996年に退官後、国際協力事業団副総裁に就任しました。

香川県知事としての活躍

1998年、真鍋武紀は香川県知事に就任しました。当時、香川県はバブル経済崩壊後の閉塞感と、積極的な公共事業による財政悪化という二重の課題を抱えていました。真鍋知事は、これらの課題に果敢に取り組みました。

行財政改革

真鍋知事は、就任直後から行財政改革に着手しました。県職員の人件費カット、公共事業の縮小、組織の統廃合など、厳しい改革を断行しました。その結果、県債残高の抑制、基金の増額、職員数の削減を実現しました。

産業廃棄物問題への対応

2000年には、豊島の産業廃棄物不法投棄問題で、県と住民の公害調停が成立し、真鍋知事は県知事として謝罪しました。この問題解決に向けた彼の姿勢は、多くの県民に支持されました。

県産品ブランドの育成

「日本一面積の小さい香川県は、県オリジナルの品種の開発に注力しなければならない」という信念のもと、真鍋知事は県産品のブランド化にも力を注ぎました。新品種の小麦「さぬきの夢2000」やアスパラガス「さぬきのめざめ」など、数々の県産品が開発されました。また、ひけた鰤やオリーブ牛など、地域ブランドの確立にも貢献しました。

その他の取り組み

瀬戸大橋開通20周年記念行事の開催や通行料金の値下げ要望、高松琴平電気鉄道の民事再生問題、庁内のプール金問題、鳥インフルエンザ問題など、多くの課題にも対応しました。

退任とその後

真鍋武紀は、2010年9月に3期12年の任期満了をもって県知事を退任しました。退任前年には、次期知事選への不出馬を表明し、後進に道を譲りました。彼の県政運営は、香川県の財政再建と地域ブランドの確立に大きく貢献し、県民の生活に大きな影響を与えました。


真鍋武紀は、激動の時代に香川県政を率い、財政再建と地域振興に尽力した人物として、香川県の歴史にその名を刻んでいます。

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