矜羯羅童子

矜羯羅童子（こんがらどうじ）

矜羯羅童子とは、仏教における明王の一尊、不動[[明王]]の眷属である八大童子の第7番目に位置する童子です。梵名をキンカラ（Kiṃkara）といい、不動[[明王]]の脇侍として、制多迦童子と共に重要な役割を担っています。

概要

不動三尊像において、矜羯羅童子は通常、不動[[明王]]の左側（向かって右側）に配置されます。この配置は、仏教における尊像の配置における一般的なルールに従っています。

「矜羯羅」という名前は、サンスクリット語の「kiṃ」（疑問詞：何）と「kara」（作為：行う）という言葉が組み合わさったもので、「何をするべきかを問い、その命令の通りに動く」という意味を持ちます。これは、矜羯羅童子が不動[[明王]]の忠実な僕（しもべ）であることを示しています。また、この名前は仏法に対する恭敬な態度も表していると解釈されます。

矜羯羅童子の姿は、15歳ほどの童子の姿で表されることが多く、蓮華の冠をかぶり、肌は白肉色をしています。その姿は、天衣と袈裟を身につけ、合掌した両手の親指と人差し指の間には独鈷杵を挟み持っているのが特徴です。

真言・種子・三昧耶形

真言

矜羯羅童子の真言は、「オン ダラマ コンガラ チシュタ サラ」（oṃ dharma koṃgla tiṣṭa sra）です。
ただし、経典には「oṃ dharmma hāṃkara tiṣṭa jra」と記されている場合もあります。

種子

種子（種子字）は、タラ（tra）、あるいはコン（koṃ）、またはコンガラ（koṃgla）のいずれかが用いられます。これらの種子は、密教において尊格を象徴する文字として重要な意味を持ちます。

三昧耶形

三昧耶形は、金剛杵、あるいは蓮華のいずれかで表されます。これらのシンボルは、矜羯羅童子の持つ力や徳を表すものとして用いられます。

作例

矜羯羅童子は、多くの仏画や仏像においてその姿を見ることができます。特に有名な作例としては、以下のものがあげられます。

京都青蓮院の不動[[明王]]図「青不動」
高野山明王院の不動[[明王]]図「赤不動」
高野山金剛峯寺の不動八大童子像（そのうちの1躯）

関連項目

仏の一覧
不動[[明王]]
制多迦童子

参考文献

各種仏教事典
仏像図鑑
* 密教関連書籍

矜羯羅童子は、不動[[明王]]の忠実な僕として、また仏法への恭敬の象徴として、仏教美術において重要な存在です。

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