矢田部厚彦

矢田部厚彦

矢田部厚彦（やたべ あつひこ）は、1929年9月17日生まれの日本の元外交官であり、著述家としては綾部克人（あやべ かつひと）の筆名を用いた。

外交官としての経歴

東京大学法学部在学中に外交官試験に合格し、大学を中退して外務省に入省した。外交官として、様々な要職を歴任。

駐ベトナム大使
海外経済協力基金理事
大臣官房付
駐オーストリア大使
駐ベルギー大使、兼ルクセンブルク大使
駐フランス大使、兼ジブチ大使
EC日本政府代表部特命全権大使

1994年に退官し、その後はソニーの顧問を務めた。1999年には勲二等旭日重光章を受章。また、NPO日本アンリ・ファーブル会の会長も務めている。

家族

父は駐タイ特命全権公使の矢田部保吉。長男はパリ第7大学助教授の矢田部和彦、次男は元東京国際映画祭プログラミングディレクターの矢田部吉彦。

著書

矢田部厚彦は、外交官としての経験や知識を活かし、多数の著書を執筆している。以下は、その主な著書である。

『核兵器不拡条約論 核の選択をめぐって』 有信堂 1971年
『ある大使の生活と意見 ハノイにて』 読売新聞社 1984年
『宰相ミシェル・ド・ロピタルの生涯 あるルネサンス政治家と良心の自由』 読売新聞社 1985年
『贋十日物語（デカメロン） 遍歴綺譚』 綾部克人 スリーエーネットワーク 1994年
『ヴェトナムの時』 スリーエーネットワーク 1995年
『東西遊記』 鳥影社 2001年
『職業としての外交官』 文春新書 2002年
『日本外交とは何か―その歴史と精神』 平凡社 2005年
『敗北の外交官ロッシュ』 白水社 2014年

また、共著や翻訳も手掛けている。

共著編

『フランス今昔―その知られざるプロフィール』井川克一共著 勉誠出版 2003年
『憶ひ出の記 或る家族の明治・大正・昭和』矢田部たか共著 矢田部会 2007年

翻訳

ベルトラン・ゴールドシュミット『秘録　核開発をめぐる国際競争』 毎日新聞社 1970年
アラン・コルナイユ『幕末のフランス外交官 初代駐日公使ベルクール』 編訳 ミネルヴァ書房 2008年
* リチャード・シムズ『幕末・明治日仏関係史 1854～1895年』 ミネルヴァ書房 2010年

まとめ

矢田部厚彦は、外交官として国際舞台で活躍する傍ら、著述家としても幅広い分野で活躍した人物である。その知見と経験は、多くの著書を通して後世に伝えられている。

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