矢田部吉彦

矢田部吉彦：映画界の重鎮

矢田部吉彦（やたべ よしひこ、1966年生まれ）は、日本の映画界において重要な役割を果たしている映画祭プログラマー、業界パーソナリティ、司会者、そして映画プロデューサーです。彼の活動は、日本国内外の映画祭や映画関連イベントで広く知られています。

人物背景と学歴

矢田部は1966年にフランスで生まれ、幼少期をスイスのジュネーヴ及びオーストリアのウィーンで過ごしました。後に、暁星中学校・高等学校を経て早稲田大学で政治学を学び、さらにINSEAD にてMBAを取得しました。彼は銀行勤務を経て、英仏での駐在や留学を通じて得た国際的な視点を映画の世界に生かすことにしました。

映画業界への転職と初期の活動

映画業界に飛び込んだ矢田部は、映画配給や宣伝を手掛ける一方で、ドキュメンタリー映画のプロデュースや、フランス映画祭の運営などにも携わりました。特に2002年から参加した東京国際映画祭では、作品選定を行う重要な役割を担うことになります。これにより、日本映画の普及と評価向上に寄与したのです。

東京国際映画祭での功績

矢田部は東京国際映画祭において数々の役職を歴任しました。

• - 2002年からスタッフとして参加し、
• - 2004年には作品部の統括を担当。特に「日本映画・ある視点」および「日本映画スプラッシュ」といった部門のプログラミング・ディレクターを務めました。
• - 2007年からはコンペティション部門のディレクターとして、国際的な映画交流の場をさらに充実させました。

また、2020年にはシニアプログラマーとして作品選定委員会のメンバーに名を連ね、映画界の発展に寄与しています。

その他の映画祭・映画賞での活動

東京国際映画祭のほかにも、矢田部は多くの映画祭や映画賞で審査員や選考委員を務めてきました。たとえば、毎日映画コンクールやカルロビバリ映画祭、アジア太平洋映画賞、シドニー映画祭など、彼の視点は国際的に評価されています。

プロデューサーとしての作品

彼はプロデューサーとしても活躍し、多くの映画制作に関与しています。代表作には『阿賀の記憶』（2005年）、『チョコラ』（2009年）、『風の波紋』（2015年）などがあります。これらの作品は、彼の多彩な才能と映画に対する深い理解を反映しています。

出演・執筆活動

矢田部は映画の評論や対談においてもその名を馳せています。TBSラジオの「アフター6ジャンクション」やWOWOWの「ザ・プライムショー」などで活躍し、映画に関する知識を多くの人に広めています。また、彼は書籍の執筆も行い、「観ずに死ねるか ! 傑作ドキュメンタリー88」などで映画の魅力を伝えています。

趣味とプライベート

映画の仕事の合間には趣味を楽しむ矢田部。特に映画Tシャツのコレクションが人気で、東京国際映画祭の情報配信番組では毎回異なるTシャツを披露しました。また、落語家デビューも果たしており、高校時代は競技スキーにも打ち込みました。トライアスロンへの挑戦やウクレレの披露など、多才な一面が垣間見えます。

結論

矢田部吉彦は、映画業界において確固たる地位を築き、国内外の映画祭で重要な役割を果たしている人物です。彼の活動は、映画の魅力を広めるだけでなく、若手映画人への道を開く助けともなっています。今後の活躍にも注目です。

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