知る区ロード

知る区ロードの概要

知る区ロード（しるくロード）は、1988年に東京都杉並区によって始められた防災に配慮したまちづくりの一環です。この取り組みは、区内を散策しながら名所や公園を訪れることができる約36キロメートルの散策路を形成しています。道は、都区の東西を結び、訪れる人々が杉並区全体を周遊しながら、地域の魅力や歴史に触れられるように設計されています。

オアシスの設置

知る区ロードの途中には、4箇所に『オアシス』と呼ばれる休憩スペースが設けられています。これらのオアシスは、著名な建築家・六角鬼丈の設計によるもので、五感を楽しませる工夫が施されています。

みみのオアシス

1991年に完成した「みみのオアシス」は、杉並区宮前2丁目に位置し、宮前公園内の竹林の中にあります。この作品は六角鬼丈と音のデザインスペシャリスト、鳥越けいことの共同制作で、竹林が生み出す自然の音を楽しむために設計されたものです。訪れる人々は、設置された7つの耳を通じて、周囲の音を感じ取ることができます。

ときのオアシス

「ときのオアシス」は、1992年に杉並区天沼3丁目の天沼もえぎ公園に設置されました。このオアシスのテーマは時間であり、特に悲劇的な歴史を反映しています。中央には「地界の天庭」と呼ばれる時計盤があり、その針は1945年8月6日の広島の原爆投下時刻を指しています。このオアシスは、訪れる人に過去を振り返るきっかけを提供します。

はなのオアシス

次に紹介するのは1993年に作られた「はなのオアシス」です。杉並区の阿佐谷北に位置し、区民事務所のエントランスで見かけます。このオアシスは嗅覚に焦点を当てており、「香楽器」と名付けられた4つのオブジェが設置されています。香りをテーマにしたこれらのオブジェは、鼻の通りを良くするように設計された椅子や香卓も含まれています。特に、背もたれの部分に工夫がなされており、利用者がリラックスしながら香りを楽しめるようになっています。

はだしのオアシス

最後の「はだしのオアシス」は、1993年に作成され、2003年に開園した善福寺さくら公園内に位置します。このオアシスは足の感覚を刺激することをテーマにしており、入り口には重い扉があり、開けると落ち着いた庭のような空間が広がっているのが特徴です。柔らかな芝生と、足裏のツボを表現した「足裏経絡石」が設置され、訪れた人は裸足で歩きながら足裏の刺激を体験できるのです。

知る区ロードは、杉並区の歴史や文化を探求する魅力的なルートで、散策を通じて地域をより深く理解するための素晴らしい手段となっています。散策をしながら各オアシスでの体験を楽しむことで、杉並区への愛着や理解が深まることでしょう。

さらに詳細な情報や楽しみ方については、杉並区の公式ウェブサイトで提供されているパンフレットをチェックすると良いでしょう。

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