短期療法

短期療法（ブリーフセラピー）とは？

短期療法、またはブリーフセラピーは、比較的短期間で問題の解決を目指す心理療法の総称です。ミルトン・エリクソンの影響を強く受けた理論や技法を用い、クライアントが抱える問題に直接的に働きかけることを重視します。MRIアプローチやソリューションフォーカストアプローチなどが代表的なアプローチとして挙げられます。

ブリーフセラピーの特徴

ブリーフセラピーは、他の心理療法と比較して以下の特徴を持っています。

問題への特化: 特定の問題に焦点を絞り、解決に必要となる時間を最小限に抑えます。
積極的な介入: セラピストはクライアントに対し、より積極的に働きかけ、問題解決を促進します。解決策を見つけ出すための具体的な介入方法を提案したり、クライアント自身の資源や強みを活用するよう促したりします。
リソースの活用: クライアントが既に持っている強みや資源（リソース）を効果的に活用します。これは、問題解決の過程における重要な要素となります。過去の成功体験や、周囲の人間関係、趣味嗜好など、クライアントを取り巻く様々な要素がリソースとして活用されます。
新たな視点の提供: クライアントが問題を捉える視点を変え、新たな可能性を見出すよう支援します。時には、クライアントの既存の考え方に一時的に疑念を抱かせることで、新しい視点の獲得を促進します。
現在への焦点: 過去のトラウマや原因究明に時間を割くのではなく、現在の問題とその解決に焦点を当てます。過去の出来事が現在に及ぼす影響は考慮されますが、それにとらわれすぎることなく、未来志向で問題解決を目指します。
多様なアプローチ: ブリーフセラピーには、様々なアプローチが存在し、問題やクライアントの状況に応じて最適な方法が選択されます。一つの手法に固執するのではなく、柔軟に対応することが重要視されます。

ブリーフセラピーのアプローチ

ブリーフセラピーは、問題そのものよりも、問題を維持している要因や変化を妨げている要因に注目します。クライアントが問題をより広い文脈で理解し、機能的な解決策を見つけ出せるよう支援します。この過程で、クライアントは自発的かつ創造的な変化を遂げます。

ブリーフセラピーの創始者と影響者

ブリーフセラピーの主要な創始者として、ミルトン・エリクソンが挙げられます。彼は臨床催眠を駆使し、独自のブリーフセラピーを実践しました。彼の技法は、ジェイ・ヘイリーの著書を通じて広く知られるようになりました。エリクソンのアプローチは、川の流れを無理やり止めようとするのではなく、その流れを受け入れて方向転換させることに例えられます。

リチャード・バンドラーもブリーフセラピーの重要な貢献者です。彼はエリクソンの治療を長年研究し、NLP（神経言語プログラミング）の共同創始者としても知られています。彼は、人間の脳は速く学ぶことを指摘し、短期的な介入の効果を強調しました。

日本におけるブリーフセラピー

日本においても、ブリーフセラピーは広く実践されています。宮田敬一氏、小野直広氏、長谷川啓三氏、若島孔文氏など多くの専門家が、ブリーフセラピーの普及と発展に貢献しています。日本ブリーフセラピー協会なども設立され、ブリーフセラピーに関する情報発信や教育活動を行っています。

まとめ

ブリーフセラピーは、短期間で効果的な問題解決を目指す心理療法であり、クライアントの資源を活用し、新たな視点を取り入れることで、持続可能な変化を促します。多様なアプローチが存在し、クライアントのニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。

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