石井郁子

石井郁子の略歴と業績

石井郁子（いしい いくこ、1940年10月10日生まれ）は、日本の政治家および教育学者として知られる人物です。彼女は日本共産党の名誉役員であり、衆議院議員を5期務めました。その間、党中央委員会幹部会副委員長や常任幹部会委員としても活動し、また北京オリンピックを支援する議員の会にもメンバーとして参加していました。

教育学者として、石井は教育学史を専門とし、特にナデジダ・クルプスカヤの教育思想および政策に関する研究を行いました。教育の枠を超えた社会貢献を目指し、数々の政策提案や法案の提出に携わります。彼女の夫、石井守も教育者であり、大阪でフリースクール「特定非営利活動法人石井子どもと文化研究所 くるみ」を運営しています。さらに、息子の石井逸郎も弁護士として活躍しています。

学歴とキャリアの歩み

石井は北海道芦別市に生まれ、1959年に北海道三笠高等学校を卒業しました。その後、1963年には北海道学芸大学（現在の北海道教育大学）教育学部札幌校を卒業し、1971年には北海道大学大学院教育学研究科博士課程を修了しました。教育学界での活動をスタートしてからは、大阪教育大学で講師を務め、次第に助教授に昇進しました。

1986年に衆議院議員選挙に出馬し、初当選を果たしました。この後も、1996年、2000年、2003年、2005年の各選挙で連続して当選し、特に2000年から2010年にかけて党中央委員会幹部会副委員長として、日本政治における影響力を発揮します。2009年には衆議院が解散し、政界から勇退しましたが、2010年には日本共産党第25回大会で名誉役員に選出されています。

政策と活動

石井の政策の中でも特に注目されるのは、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成し、婚外子に対する差別的な条項の削除を求める活動です。2000年5月には児童虐待防止法の共同提案者としても知られています。また、2004年には裁判員裁判の導入について賛成の談話を発表し、2006年には共謀罪に反対する議員と市民による集会の呼びかけ人を務めました。

さらに2007年の国会では、韓国への文化財返還を主張し、個人が所有する物も含めた朝鮮半島由来の文化財についての議論を喚起しました。このように、彼女は教育政策にとどまらず、幅広い社会問題に対しても取り組んでいます。

著書と翻訳

石井の著作も多岐にわたります。著書には、『家族・それぞれの自立 体験的家庭教育論』や『子どもたちのすばらしさの発見 21世紀に向けて親は何ができるか』などがあります。また、クルプスカヤの作品の翻訳も行っており、教育思想の普及にも寄与しています。

まとめ

石井郁子は、その政治活動において教育を中心にさまざまな社会問題に取り組んできたことが評価されており、教育学者としての知識を生かした政策提言や実践によって、社会に貢献している重要な人物と言えるでしょう。

もう一度検索