石塚和生

料理人・石塚和生

石塚 和生（いしづか かずお）は、1960年8月15日に愛知県名古屋市で生まれた日本の料理人です。長年イタリア料理の道を歩み、成功と挫折を経験した後、人気ラーメン店「黄金の塩らぁ麺 Due Italian」を創業した異色の経歴を持ちます。その人生は、料理への情熱と再起の物語に彩られています。

過酷な幼少期と料理との出会い

石塚氏の幼少期は順風満帆ではありませんでした。名古屋市に生まれ、5歳で母親をがんで亡くし、幼くして厳しい環境に身を置かれました。施設での生活などを経験し、過酷な時期を生き抜いたと語っています。少年時代を東京都武蔵野市吉祥寺で過ごし、この頃に料理の世界に興味を持つようになります。

イタリアンシェフとしての飛躍と試練

1980年、石塚氏はレストラン西武に入社し、料理人としての第一歩を踏み出します。イタリア料理の専門性を高め、1987年には独立。東京都練馬区に自身のイタリア料理店「La Pasta」をオープンさせました。これを皮切りに、「Vino Rosso Italiano」「フィレンツェ食堂」など次々と店舗を展開し、合計6店舗を経営。年商5億円を達成するオーナーシェフとして、イタリアン業界で確固たる地位を築きました。

しかし、事業拡大の中で多額の負債を抱える事態となり、経営していた全店舗が倒産するという大きな挫折を経験します。成功の頂点から、再び一料理人としてゼロからの出発を余儀なくされました。

ラーメンへの転身とDue Italianの軌跡

失意の中にあった石塚氏に転機が訪れたのは、2002年でした。TBS系の人気番組「ガチンコ!ラーメン道」への出演がきっかけとなり、彼はイタリアンとは全く異なるラーメンの世界に魅了され、この道で再起を図ることを決意します。イタリアンで培った技術と独自の感性を融合させ、これまでにない斬新なラーメンを生み出すことを目指しました。

2009年、株式会社フロムフォティを設立し、「黄金の塩らぁ麺 Due Italian」をオープン。イタリアンの要素を取り入れた独創的な塩ラーメンは大きな話題を呼び、瞬く間に人気店となります。その評価は高く、ミシュランガイドのビブグルマンに3年連続で掲載されるなど、国内外から注目を集めています。また、「支那そばや」創業者の故・佐野実氏が主宰した「佐野JAPAN」にも名を連ねていました。

多方面での活躍と「シェフ」の称号

現在も「黄金の塩らぁ麺 Due Italian」のオーナーシェフとして現場に立つだけでなく、多方面で活躍しています。サマーソニックをはじめとするイベントへの積極的な出店や、幼少期の経験から施設へのボランティア活動として料理を教えるなど、社会貢献にも力を入れています。さらに、その経験とアイデアを活かし、様々な企業の料理プロデュースも手がけています。

イタリアンからラーメンへと専門分野を移しながらも、石塚氏はラーメン業界でも親しみを込めて「シェフ」と呼ばれ続けています。これは、彼が単なるラーメン職人にとどまらず、イタリア料理の確かな技術と知識、そして独創性を兼ね備えた料理人として、広く認知されていることの表れでしょう。波乱万丈の人生を歩みながらも、常に料理への探求心を失わない石塚和生氏の挑戦は続いています。

監修・メディア出演・著書

石塚氏はこれまでに数多くの商品監修やメディア出演、執筆活動を行っています。主な実績は以下の通りです。

監修
2004年：明星食品 新麺開拓こくとろ麺
2015年：日清食品「日清THE NOODLE TOKYO Due Italian 特製らぁ麺フロマージュ」
2017年：寿がきや食品「ドゥエイタリアン監修 レモンらぁ麺」
2018年：寿がきや食品 「ドゥエイタリアン　パクチーレモンらぁ麺」
2018年：おやつカンパニー「ベビースターラーメン丸（ドゥエイタリアン らぁ麺フロマージュ味）」
2018年：かっぱ寿司「ドゥエイタリアン監修 黄金塩らぁ麺」
2019年：「青山学院大学ラーメン」
2020年3月：ヤマダイ ニュータッチ凄麺「鶏しおの逸品」

メディア出演
TBS「ガチンコ!ラーメン道」
フジテレビ「ザ・ノンフィクション～天国のあなたへ～」（密着取材）

著書
『ありがとう。あなたがいてくれたから！』（2006年、ロングセラーズ）
『そして今、あったかいラーメンを作っています』（2019年、ロングセラーズ）

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