石塚雅二
石塚雅二
茨城県出身の捕手
1947年7月15日、茨城県に生まれた石塚雅二氏は、プロ野球の世界で捕手として活躍した人物である。
高校野球での挑戦
日大三高に進学した石塚氏は、早くからその野球センスを発揮した。1年生だった1963年には、エース若宮秀雄氏とバッテリーを組み、秋季東京大会で頂点に立った。この優勝により、翌1964年の春の選抜高校野球大会への出場権を手にした。しかし、選抜本大会では2回戦（初戦）で強豪・浪商高校に敗れ、甲子園での躍進は叶わなかった。同年夏の甲子園予選も、6回戦で修徳高校に敗れ、連続出場はならなかった。この時期のチームには、1年上の先輩として若宮氏のほか、後にプロ野球で名遊撃手として活躍する大橋穣氏がいた。
高校最後の夏となる1965年には、同期のエース佐藤道郎氏（後にプロ入り）と再びバッテリーを組み、甲子園出場を目指した。都予選では順調に勝ち進み、決勝戦まで駒を進めた。しかし、決勝の相手である日大二高の投手、神山修氏の前に打線が沈黙し、0対2で完封負けを喫した。惜しくも甲子園出場を逃し、高校野球生活に区切りをつけた。
大学、そして社会人へ
高校卒業後、石塚氏は日本大学へ進学したが、途中で学業を断念し中退。社会人野球の道へ進み、三菱重工川崎の一員となった。
幻の国際リーグ体験
社会人野球でのプレーを経て、石塚氏に特異なキャリアの機会が訪れる。1969年、中南米を舞台に新たに創設された国際的なプロ野球リーグ、通称「グローバルリーグ」への参加である。このリーグの東京ドラゴンズに、石塚氏は森徹氏や矢ノ浦国満氏といった日本球界で実績のある選手たちと共に加わった。しかし、鳴り物入りで始まったこの国際リーグは、運営会社の財政問題によりわずか数カ月で破綻。短期間で解散を余儀なくされるという、波乱に満ちた経験となった。
NPBでの挑戦とロッテでのプレー
グローバルリーグの解散後、帰国した石塚氏は、日本のプロ野球界を目指すこととなる。ヤクルトアトムズ（現・東京ヤクルトスワローズ）の入団テストを受け、1969年オフにドラフト外で入団を果たした。
しかし、ヤクルトでは一軍での出場機会に恵まれず、目立った活躍はできなかった。1971年、出場機会を求め、ユニフォームをロッテオリオンズ（現・千葉ロッテマリーンズ）に替え、移籍した。
ロッテ移籍初年度の1971年、石塚氏はプロ入り後初めて一軍の公式戦に出場。この年は2試合でグラウンドに立った。特に10月3日に後楽園球場で行われた対東映フライヤーズ戦では、8番・捕手として初めてスタメンマスクをかぶり、プロ初安打も記録した。また、若手選手の登竜門であるジュニアオールスターにも選出されるなど、将来を期待される存在でもあった。
1972年には、野球技術の向上を目指し、アメリカのマイナーリーグ（1A）であるローダイへ野球留学を経験。国際リーグ、そして海外留学と、そのキャリアは国際色豊かなものとなった。
しかし、NPBでのレギュラー定着はならず、1973年シーズンを最後に現役生活に終止符を打った。
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