石山智也

石山智也（いしやま ともや）は、1979年11月2日、山形県に生まれた日本のプロ野球審判員である。日本野球機構（NPB）に所属し、審判員としてグラウンドに立つ際の袖番号は「25」を着用している。

山形県で青春時代を過ごし、地元の日大学山形高校を卒業。その後は一度地元で就職し、2003年までその職務にあたった。しかし、野球への情熱は失われず、リトルシニアのカテゴリーで約2年間にわたり審判としての経験を積んでいた。この経験が、後のプロ野球審判への道へと繋がっていく。2004年、満を持してセントラル・リーグの審判部へ籍を置くこととなり、プロフェッショナルとしてのキャリアをスタートさせた。

プロ審判としての歩みを進める中で、その働きぶりは着実に評価されていった。特に、イースタン・リーグにおける活躍が認められ、2008年には優秀審判員として表彰を受けている。これは、二軍戦という育成の場においても、安定した判定と職務遂行能力が光っていたことの証と言えるだろう。

審判技術の向上にも余念がなく、特に球審を務める際の構えについては試行錯誤を重ねてきた。2011年からは、それまでのボックススタンスからシザーススタンスへと転換。その後、2018年シーズンからは再びボックススタンスへと戻すなど、自身のスタイルを確立するための探求を続けている。

プロ野球審判員として、野球界の大きな舞台も経験している。2012年には、真夏の球宴であるオールスターゲームに初めて出場を果たした。この年の第3戦では、栄ある球審を務めている。さらに、日本シリーズには2018年に初出場し、この年も第4戦で球審として緊迫した試合を裁いた。2023年にも再び日本シリーズに出場するなど、頂上決戦での経験も豊富である。

特に記憶に残る試合として挙げられるのが、2016年5月17日に地元山形県の荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたで行われた読売ジャイアンツ対横浜DeNAベイスターズの一戦だろう。この試合で球審を担当した石山審判員は、6回表に発生した本塁でのクロスプレイに対し、非常に難しい状況下で適切かつ正確な判定を下した。このプレーにおける的確なジャッジが高く評価され、同年のファインジャッジ賞を受賞するに至った。故郷での凱旋試合で、自身の評価を高める判定を見せたことは、本人にとっても特別な瞬間であったに違いない。

国際舞台への派遣経験もある。2019年には、韓国で開催された第2回WBSCプレミア12のオープニングラウンド・グループCの担当審判員として選ばれ、3試合に出場。世界の強豪が集まる国際大会での審判経験は、キャリアにおける貴重な財産となった。

長年にわたりプロ野球のグラウンドに立ち続けた結果、大きな節目を迎えることとなった。2022年6月11日、札幌ドームで行われた北海道日本ハムファイターズ対中日ドラゴンズの2回戦で二塁塁審を務めた際に、プロ野球審判員として通算1000試合出場という金字塔を達成した。これは、長年の実績と健康管理、そして審判への揺るぎない情熱があってこそ成し遂げられる偉業である。

審判としてのキャリアの中には、予期せぬアクシデントに見舞われたこともあった。2018年6月15日に福岡 ヤフオク!ドームで行われたセ・パ交流戦、福岡ソフトバンクホークス対広島東洋カープの試合では、球審を務めていた際に、3回表の攻撃中に打者の放ったファウルチップと投手の投球が立て続けに保護具をすり抜け、手に直撃。一時的に治療を受けるという事態になった。しかし、プロフェッショナルとして迅速に対応し、職務を全うした。

石山智也審判員のこれまでのキャリアは、以下の記録と表彰によって彩られている。

出場記録（記録は2024年シーズン終了時）
初出場：2008年5月11日、ヤクルト対広島5回戦（神宮球場）、三塁塁審
出場試合数：1278試合
オールスター出場：2回（2012年、2019年）
日本シリーズ出場：2回（2018年、2023年）

表彰（記録は2022年終了時）
イースタン・リーグ優秀審判員：1回（2008年）
ファインジャッジ賞：1回（2016年）

山形県からプロの世界へと足を踏み入れ、地道な努力と経験を積み重ねることで、オールスターや日本シリーズといった大舞台、そして通算1000試合出場という栄誉を手にした石山智也審判員。これからも、公平かつ正確なジャッジで、日本のプロ野球を支え続けていくことだろう。

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