石橋達朗

石橋達朗

石橋達朗（いしばし たつろう、1949年7月28日 - ）は、日本の医学者であり、眼科学を専門としています。特に、網膜、硝子体、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性といった分野で研究を進めてきました。九州大学大学院医学研究院眼科学分野教授、九州大学病院長、九州大学理事、同副学長などを経て、第24代九州大学総長に就任しました。

生い立ちと学生時代

長崎県平戸市出身で、眼科医であった父親の背中を見て医師を志しました。小学校6年生の時に福岡へ移り、福岡市立百道中学校、福岡県立修猷館高等学校を経て、九州大学医学部に進学しました。学生時代は様々な球技に親しみ、特に大学時代は卓球部のキャプテンを務めました。また、麻雀にも熱中し、仲間と頻繁に集まって徹夜で打ち、医局旅行では観光中にバスで寝てしまうこともあったそうです。

医学者としてのキャリア

1975年3月に九州大学医学部を卒業後、同大学医学部眼科学教室に入局しました。眼科に進んだきっかけは、教授に「君は、眼科へ来るんだろう」と言われたからだと述懐しています。その後、1977年4月に九州大学大学院医学研究科（病理学教室）に入学し、1981年に卒業。九州大学医学部眼科助手に着任しました。

1984年1月には、南カリフォルニア大学ドヘニー眼研究所へ留学し、帰国後の1986年2月に九州大学医学部眼科講師に着任しました。その後、九州大学医学部眼科助[[教授]]、同大学院医学研究院眼科学分野教授、同副学長、九州大学病院長、九州大学理事、同先端医療オープンイノベーションセンター長を歴任しました。

研究業績と社会貢献

眼内血管新生性疾患の病態解明や治療法の確立に関する研究で、2011年に日本眼科学会賞、2017年にはDistinguished Service Awardを受賞しました。また、大学発のベンチャー企業「アキュメンバイオファーマ株式会社」の設立にも携わり、黄斑などの手術に用いる染色剤の改良に取り組みました。その他、日本眼科学会常務理事、同理事長、日本学術会議連携会員、日本眼病理研究会会長、日本網膜硝子体学会理事長、同監事、福岡県病院協会会長、日本近視学会顧問など、多くの要職を歴任しました。

九州大学総長として

2020年10月1日には、九州大学総長に就任しました。総長として、大学発ベンチャーの設立に意欲を示し、研究成果の社会実装を支援する「九大ステップファンド」を創設するなど、大学の研究成果を社会に還元することに力を注ぎました。また、産学連携を推進し、学内における教育研究の企画・戦略を担う「プロボスト」を設置し、自身は学外との連携に注力することで、多くの企業との組織連携を締結しました。

主な職歴

1975年6月 - 九州大学医学部附属病院医員（研修医）
1976年11月 - 九州厚生年金病院医員（研修医）
1981年4月 - 九州大学医学部眼科助手
1981年11月 - 九州大学医学部講師
1984年1月 - 南カルフォルニア大学研究員
1986年2月 - 九州大学医学部眼科講師
1995年4月 - 九州大学医学部眼科助[[教授]]
1999年4月 - 九州大学大学院医学研究科助[[教授]]
2001年9月 - 九州大学大学院医学研究院眼科学分野教授
2003年4月 - 九州大学病院手術部長（兼任）
2005年5月 - 九州大学病院長補佐（兼任）
2006年5月 - 九州大学副病院長（兼任）
2007年4月 - 九州大学病院集中治療部長（兼任）
2013年4月 - 九州大学副学長（兼任）
2014年4月 - 九州大学病院長（兼任）
2015年3月31日 - 九州大学大学院医学研究院眼科学分野教授を退任
2018年4月 - 九州大学理事兼副学長
2020年4月 - 九州大学理事兼副学長兼先端医療オープンイノベーションセンター長
2020年10月 - 九州大学総長

主な団体・学会活動歴

1995年 - 日本網膜硝子体学会理事、日本糖尿病眼学会理事
1998年 - Japan Macula Club 世話人
1999年 - 日本眼科学会評議員
2001年 - 日本眼科学会理事
2003年 - 日本眼科学会常務理事
2004年 - 日本眼循環学会理事
2005年 - 日本学術会議連携会員
2007年 - 日本眼病理研究会会長
2009年 - 日本網膜硝子体学会理事長
2011年 - 日本眼科学会理事長
2014年 - 福岡県病院協会会長
2015年 - 日本眼科学会常務理事
2016年 - 日本近視学会顧問
* 2017年 - 日本網膜硝子体学会監事、日本眼科学会戦略企画会議実行責任者

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