石渡幸二

石渡 幸二（いしわた こうじ）

1927年2月7日に千葉県の現・木更津市に生まれた石渡幸二は、著名な日本の編集者であり、多くの船舶に関する賢明な評論を行った人物です。彼は1951年に東京商科大学（現・一橋大学）を卒業、三井銀行（現在の三井住友銀行）に入社しましたが、わずか1年で退職しました。その後、河出書房に勤務し、編集の道を歩むことになりました。

石渡氏は若いころから軍艦や商船に強い興味を抱いており、しかし当時彼が求めるような船舶に関する雑誌が存在しないことに不満を持っていました。この感情が高じて、1957年には自らの出版社である海人社を設立し、月刊誌『世界の艦船』を創刊するに至ります。彼はこの雑誌の編集長として1989年までその運営に携わり、多くの読者に支持される雑誌に育て上げました。

海人社の代表取締役や、出版協同社の代表取締役も務めた石渡氏は、艦船に関する多くの著書を執筆しました。代表的な著作には、1984年に出版された『艦船夜話』や、1986年に発表された『名艦物語 第2次大戦を戦った艨艟たち』などがあります。後者は中公文庫としても出版されています。

また、1994年には『艦と人の回想譜』、1997年には『軍艦物語 思い出の艦影を尋ねて』を刊行し、同じ年には『太平洋戦争の提督たち』も出版しました。翌1998年には『あの船この船 回想の船影を追って』が中公文庫から発行されています。これらの著作は、艦船に対する深い理解と情熱が綴られており、艦船ファンから高い評価を得ています。

また、彼は単独著者としてだけでなく、共同編者としても多くの作品に関与しています。1960年には、古川明の撮影による『写真集連合艦隊』を青木栄一と共に編纂しました。

石渡幸二は、2014年9月29日に逝去しましたが、その影響力は今なお多くの艦船ファンや評論家に受け継がれています。彼の業績は、日本における船舶に関する文化の発展に寄与したことは間違いありません。彼の著作や雑誌は、今日の艦船研究や愛好活動においても依然として重要な資料として大切にされています。

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