石渡秀吉

石渡秀吉：明治・昭和初期の政治家、実業家、醸造家

石渡秀吉（いしわた ひできち）は、1870年10月17日（明治3年9月23日）に生まれ、1933年（昭和8年）7月30日に没した、明治から昭和初期にかけての日本の政治家、実業家、そして醸造家です。彼は衆議院議員（1期）を務めたほか、神奈川県三浦郡浦賀町長としてもその名を知られています。

経歴

石渡秀吉は、石渡真三郎の長男として、現在の横須賀市にあたる神奈川県三浦郡大津村（浦賀町）に生まれました。慶應義塾や専修学校で学び、1892年（明治25年）には家業である醤油醸造の販路を拡大するため、ハワイへと渡航。翌年には帰国しました。

政治家としてのキャリアは、1906年（明治39年）に浦賀町会議員に当選したことから始まり、1922年（大正11年）まで通算3期を務めました。1911年（明治44年）には三浦郡会議員、そして同郡会議長を歴任するなど、地方政治において重要な役割を果たしました。

1912年（明治45年）5月には、第11回衆議院議員総選挙に神奈川県郡部から無所属で出馬し、見事当選を果たします。しかし、選挙法違反の大審院判決により、任期途中の1913年（大正2年）1月27日に議員を辞職することとなりました。

1923年（大正12年）11月、石渡秀吉は浦賀町長に就任し、1931年（昭和6年）11月まで2期にわたりその職を務めました。町長として、県営水道期成同盟会副会長として水道の実現に尽力したほか、県町村長会会長、半島観光協会会長、東陽銀行、武相貯蓄銀行各取締役などを歴任し、地域社会の発展に大きく貢献しました。

親族

父：石渡真三郎（浦賀町長、三浦郡会副議長）

参考文献

『第二十九回帝国議会 衆議院議員名簿』衆議院事務局〈衆議院公報号外〉、1912年。
衆議院、参議院 編『議会制度七十年史 第11』大蔵省印刷局、1962年。
* 神奈川県県民部県史編集室 編『神奈川県史 別編1 人物』神奈川県、1983年。

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