石田正

石田正

石田正（いしだ ただし、1910年1月7日 - 1979年3月4日）は、昭和期に活躍した日本の大蔵官僚です。そのキャリアを通じて、大蔵事務次官、日本輸出入銀行総裁など、重要な役職を歴任しました。

生い立ちと学歴

石田正は1910年1月7日に生まれ、旧制開成中学校、旧制第一高等学校を経て、1933年に東京帝国大学法学部を卒業しました。これらの名門校での教育は、彼の後のキャリア形成に大きな影響を与えたと考えられます。

大蔵省入省から要職歴任

東京帝国大学卒業後、石田は同年、大蔵省に入省しました。最初に配属されたのは大臣官房文書課でした。その後、1945年4月には広瀬大蔵大臣の秘書官（事務担当）に任命され、その手腕を発揮し始めました。1947年11月には理財局為替第一課長、1948年7月には理財局外資部長、そして1949年3月には理財局外資部長兼理財局国庫課長と、重要なポストを歴任しました。同年6月には大臣官房調査部長に就任し、その後も主税局税関部長、理財局長、官房長、為替局長と、大蔵省内で着実にキャリアを積み重ねました。

1957年11月には銀行局長に就任し、1959年6月には大蔵事務次官という大蔵省の最高位に上り詰めました。大蔵事務次官としては1961年5月までその職を務め、日本の経済政策に大きな影響を与えました。

接収解除貴金属事件

石田のキャリアの中で特筆すべき出来事として、理財局長時代の1953年2月、接収解除貴金属及びダイヤモンド関係事件に関し、衆議院行政監察特別委員会に証人喚問されたことが挙げられます。この事件は当時の社会的な関心も高く、石田の証人喚問は注目を集めました。

大蔵省退官後

大蔵事務次官退任後も、石田は公職を歴任し、国民公庫総裁、日本輸出入銀行総裁、中国地方開発審議会委員など、様々な分野でその経験と知識を活かしました。特に日本輸出入銀行総裁としての活動は、日本の貿易振興に大きく貢献したと考えられています。

人物像と業績

石田正は、その経歴から見て、非常に優秀な官僚であったことがうかがえます。彼は大蔵省の要職を歴任し、日本の戦後復興から高度経済成長期にかけて、その行政手腕を発揮しました。また、公職を退いた後も、様々な分野で活躍し、社会に貢献しました。彼の業績は、日本の経済発展史において重要な位置を占めています。

石田正は、激動の時代を生き抜き、日本の経済発展に貢献した人物として、その名前は記憶されるべきでしょう。

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