石田重成

石田重成の生涯

石田重成（いしだ しげなり）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて生きた日本の武士であり、著名な武将石田三成の次男として知られています。重成は慶長4年（1599年）から豊臣秀頼に仕官し、小姓としての役割を果たしましたが、彼の運命は関ヶ原の戦いで大きく変わりました。その戦いでは、西軍が東軍に敗れ、一族の居城であった佐和山城も落城しました。これにより重成は急速に厳しい状況に置かれることとなりました。

難民生活と隠遁

重成は慶長5年（1600年）に、戦火を避けるために逃亡を決意しました。彼は父・三成の配下だった津軽信建の支援を受け、乳母の父である津山甚内らと一緒に日本海沿いのルートを利用して逃亡し、若狭国小浜から津軽へ向かいました。逃避行の末、彼は地元の津軽家の保護を受け、隠遁生活を送ることになるのです。

重成は「杉山源吾」と名乗り、現・板柳町の深味村に身を隠しました。その後は「杉山八兵衛」という名前を使い、津軽家に仕官し、やがて侍大将にまで昇進したと言われています。

死去の経緯と子孫

重成に関する記録には、彼が慶長15年（1610年）4月28日に若くして死去したという説がありますが、別の説ではその後も隠遁生活を送り、寛永18年（1641年）に53歳で亡くなったとされています。この時期には、彼の長男・吉成が弘前藩主である津軽信枚の娘と結婚し、家老職につくなど、重成の子孫は弘前藩重臣として名を馳せました。

また、三男の成保系『杉山系図』には藤堂高虎に仕官して伊勢で死去したとする記録がありますが、その真偽については確認されていません。重成の家族は、弘前藩の忍者を統括していたという伝承も残されています。

石田家の名乗りと墓

石田重成は生前、豊臣を名乗ることを許可されていたという証拠は存在しないものの、青森県弘前市にある宗徳寺の重成および杉山家の代々の墓には、豊臣の姓が刻まれています。この事実は、江戸時代において豊臣氏が正式に名乗っていたのは北政所の実家である木下家のみであったことから、興味深いものとなっています。

重成の生涯は、戦国時代の混乱の中での武士としての運命を描いており、彼の子孫はその後も名門として存続しました。石田重成は、豊臣家の名のもとに堅実な人生を送り、忍者や武士としての歴史を刻んだ人物として後世に語り継がれています。

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