石破おろし

石破おろしの概要

2024年に自民党内で発生した「石破おろし」は、自由民主党の総裁であり首相である石破茂に対する退陣要求を指します。10月に行われた衆議院議員総選挙において、自公連立政権が掲げた過半数を下回る結果に終わり、それに伴って石破総裁の進退が大きな議論となりました。

背景

2024年10月9日、石破茂自由民主党総裁は、次の衆議院議員選挙における勝敗ラインを「自公で過半数」と設定しました。具体的には、465議席のうち233議席以上を獲得することが求められました。しかし、実際の選挙では自民党が191議席、公明党が24議席を獲得し、合計でも215議席にとどまりました。この結果、自民党としても自公連立政権としても過半数を達成できなかったことから、大敗となりました。

選挙結果が確定した翌日の10月28日、自民党の臨時役員会が開かれ、小泉進次郎選挙対策委員長が責任を取って辞表を提出しました。その後の記者会見で石破総裁は続投を表明し、森山裕幹事長も続投の意向を示しました。

経過

選挙による大敗を受けて、自民党内では石破茂への退陣要求が高まりました。特に注目を集めたのは、参議院議員の青山繁晴で、彼は自身のYouTubeチャンネルで退陣を求め、翌日にはX（旧Twitter）でも辞任が必須であると再度強調しました。これに続き、他の議員も同様の意見を表明しました。

選挙に当選した山口元環境大臣や、桜田元五輪大臣なども石破の早期退陣を求める意見を述べました。また、選挙結果に対する責任を問う社説が、産経新聞・読売新聞・朝日新聞でそれぞれ掲載され、自民党総裁の辞任が求められました。

一方で、一般の世論は異なる意見を示しました。共同通信社の調査によると、65.7%が石破の続投を支持し、JNNやFNNでも支持が多数を占めました。このように、党内外での意見が分かれる中、最終的に自民党内で「石破おろし」の動きは鈍化しました。11月には両院議員懇談会が行われ、青山は退陣を求める一方でその後の補正予算成立後に辞意を示すべきだとの態度に転じました。

結局、11月11日の特別国会にて行われた首班指名選挙で石破茂が当選し、第2次石破内閣が発足しました。これにより、党内の混乱は一応の収束を見せ、石破総裁が引き続き政権を担当することが決まりました。

結論

「石破おろし」は、選挙の大敗を契機に自民党内で高まった退陣要求を表す現象であり、内外の意見が交錯する中で石破茂が続投を果たした一連の出来事でした。今後の自民党がどのように掲げる政策と姿勢が党内外の信任を得るのかが注目されます。

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