石神井松の風文化公園

練馬区立石神井松の風文化公園は、東京都練馬区石神井台に広がる区立の多目的公園です。この公園は、かつて日本銀行の運動施設として長年利用されてきた土地を練馬区が取得し、平成26年（2014年）に開園しました。隣接する都立石神井公園には、国の天然記念物である貴重な沼沢植物群落があり、周辺地域の宅地化が進む中で、その生態系を守り、豊かな緑を保全する目的もあって公園として整備されました。

公園の最も特徴的な施設の一つに、天然芝の多目的広場があります。ここでは少年野球やソフトボール、サッカー、グラウンドゴルフなど、様々な球技が楽しめます。一般開放日も設けられていますが、団体利用がない場合にも利用できることがあります。また、有料のテニスコートが7面あり、人工芝コート6面とハードコート1面が整備されています。ハードコートはテニスの予約がない時間帯にはバスケットボールの利用も可能です。

運動施設が中心でありながら、公園内には家族でゆっくり過ごせる緑の空間も点在しています。「花と木立ちの広場」では芝生の上でお弁当を広げたり、「松林の広場」にはテーブルやベンチが設置されており、読書や休憩に利用できます。公園名に「松」と冠していますが、特に松の木が多いわけではなく、多様な種類の樹木が植えられ、四季折々の景観を楽しむことができます。

公園の管理棟は、施設利用者のための更衣室やトイレ、シャワー室を備えています。シャワー室は、テニスコートなどの有料施設利用者だけでなく、散策で立ち寄った一般の方も無料で利用できる点が便利です。管理棟内には練馬区立石神井公園ふるさと文化館の分室も設置されており、練馬区ゆかりの文化人の功績を紹介する展示室や、作家・五味康祐氏愛用のオーディオ機器の展示なども行われています。その他、有料で利用できる和室や多目的室もあります。

公園の歴史を振り返ると、この土地は昭和9年（1934年）に日本銀行石神井運動場として開設され、野球場やテニスコートのほか、クラブハウス、体育館、プールなどが整備されていきました。昭和50年（1975年）には、運動場の一部が区民にも開放されるようになります。その後、平成20年（2008年）に練馬区が日本銀行から土地を取得し、平成26年（2014年）に現在の公園が開園しました。令和2年（2020年）には、隣接していた東京海上日動の旧体育館跡地も公園として拡張され、より広い敷地となりました。

アクセスは、西武池袋線石神井公園駅南口から徒歩約15分、または石神井公園駅北口などからバスに乗り「石神井郵便局」バス停下車後徒歩1分です。公園の開園時間は午前8時から午後7時までですが、テニスコートや多目的広場などの有料施設は午前9時から午後6時まで（季節により変動あり）の利用となります。都立石神井公園と異なり、夜間は閉鎖されるため、公園の周囲を迂回する必要があります。年末年始（12月29日から1月3日）は休園日です。

隣接施設には、自然豊かな都立石神井公園のほか、東京海上日動の施設、練馬区立石神井中学校、練馬区立石神井公園ふるさと文化館、練馬区立池淵史跡公園などがあり、この一帯は文化・スポーツ・自然が融合したエリアとなっています。

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