砂時計 (漫画)

砂時計（すなどけい）

概要

『砂時計』は、芦原妃名子が手がける少女漫画で、2003年から2006年まで『Betsucomi』に連載されていました。物語は、主人公である植草杏の人生と成長を描き、彼女の心の中の葛藤や恋愛を繊細に表現しています。特に、ストーリーの重要な舞台である仁摩サンドミュージアムが、物語の心の核でもあります。コミックスは本編8巻と番外編2巻から成り、計10巻で構成されています。2005年には第50回小学館漫画賞を受賞し、2007年にはテレビドラマ化、さらに2008年には映画と小説としても展開されました。

あらすじ

物語は12歳の冬、両親の離婚によって母の故郷・島根に移り住むことから始まります。杏は新しい環境に馴染めず孤独を感じる中、近所の少年・北村大悟と出会い、少しずつ心を開いていきます。だが、母の美和子が仕事中に倒れ、杏は「もっと頑張れ」と言った自分の言葉が原因だと責任を感じ、家計を助けるために仕事を探します。月島家での出会いを経て、大悟との友情は深まり、やがて恋に発展していきます。しかし、杏は父の元に戻るため東京に引っ越し、二人は遠距離恋愛を余儀なくされます。この距離がさらに二人の関係に複雑さをもたらし、杏はさまざまな恋や別れを経験しつつも、心の中には常に母親の記憶が存在していました。

時が経つにつれ、杏は母親への思いと共に、周囲の変化に直面していきます。最終的には、彼女の成長とともに再び大悟と向き合うことになります。杏の物語は恋や別れだけでなく、自身のアイデンティティの探求でもあります。

登場人物

• - 植草杏（うえくさあん）: 物語の主人公であり、大悟の妻。父親の事業の失敗による両親の離婚で島根に越してきた。
• - 北村大悟（きたむらだいご）: 杏の夫で最初の友達。いつも杏を支え、2人はお気持ちも通じ合います。
• - 月島藤（つきしまふじ）: 月島家の跡取り息子で、杏に恋心を抱くがさまざまな事情から彼女とは上手くいかない。
• - 月島椎香（つきしましいか）: 藤の妹で心優しい少女。兄の影響を受けながら成長します。

メディア展開

『砂時計』は漫画だけでなく、2007年にはTBS系「愛の劇場」でテレビドラマ化されました。その後、2008年には映画化もされ、全国で上映されました。これにより、多くのファンを魅了し続けています。

この作品は、季節が移り変わる中での人間関係や成長を描写し、心の成長について深く考えさせます。親の存在、愛、喪失などのテーマが織り交ぜられており、多くの人々の心に響く内容となっています。

もう一度検索