研数学館

一般財団法人研数学館は、理学の研究と教育を支援することを目的に設立された団体です。本部は東京都千代田区西神田二丁目に位置し、長い歴史を持っています。設立当初のモットー「研数理開宇宙」は、数学の研究を深めることで新たな宇宙の理解を目指しています。

この団体の起源は1897年（明治30年）に遡り、当初は数学専門の私塾として始まりました。この私塾は、創始者の奥平浪太郎の指導の下、数理科学の教育に特化して成長してきました。1941年には、文部大臣からの許可を受けて財団法人として正式に設立されました。その際、理数系専門学校である「研数専門学校」が設立され、教育活動の幅を広げていくこととなりました。

学制改革により1955年に大学受験予備校へと方向転換し、その後の数十年にわたって東京、津田沼、本郷、春日部など4つの校舎を展開しました。特に東京校本部では、数多くの著名な講師や学生が集まり、名門予備校として名を馳せました。しかし、長年の経営の中で大学受験生の数が減少し、2000年3月には東京校と津田沼校を閉校し、予備校業務から撤退しました。

撤退後は、法人本部を東京校本部校舎に置く一方で、その不動産資産を利用した収益活動にシフトしました。この収益は、理学の研究者を支援するための資金として活用されています。また、特に教員向けの「連続セミナー」を通じて研究や教育に関連する講演会を比較的頻繁に開催しており、講師には著名な学者が招かれています。

沿革としては、1897年の設立から始まり、1919年には英語科を併設、1922年には関東大震災の影響で校舎が焼失するも、2ヶ月後には授業を再開しました。1929年には新しい校舎が完成し、1941年には財団法人としての基礎が固まります。1955年には大学受験の予備校へと変貌を遂げ、1979年には本郷校舎が完成しましたが、1997年には100周年を迎えつつ、本郷校舎は閉校の運命を迎えました。

有名な卒業生や講師も多数おり、著名人では、田中角栄や蓮實重彦、高橋健一などが名を連ねています。また、セミナーには青山学院大学特任教授の坪田耕三のような著名な講師が参加しており、現在も活発な活動を続けています。このように、研数学館は長い歴史を持ち、理学の分野における学問の発展に寄与し続けています。

もう一度検索