硫酸鉛(II)

[硫酸]][[鉛]：性質、生成、用途

[硫酸]]鉛] (PbSO₄) は、2価の[[鉛の硫酸塩であり、無色の結晶または粉末として存在します。自然界では、方鉛鉱が酸化されることで二次的に生成し、硫酸鉛鉱として産出されます。水には溶解度が低く、様々な化学反応を示す重要な化合物です。

合成方法

[硫酸]]鉛]は、[水に可溶性の鉛塩（硝酸鉛]や酢酸[鉛]など）の[水溶液に、希硫酸または硫酸塩水溶液を加えることで容易に合成できます。この際、白色の沈殿として硫酸鉛]が析出します。この反応は、[[鉛イオン(Pb²⁺)と硫酸イオン(SO₄²⁻)の結合による沈殿生成反応です。化学式で表すと以下のようになります。


Pb²⁺(aq) + SO₄²⁻(aq) → PbSO₄(s)


また、[酸化]]鉛]と希[[硫酸の反応によっても生成します。


PbO + H₂SO₄ → PbSO₄ + H₂O


[鉛]]蓄電池の活物質ペーストには、PbSO₄と酸化[[鉛]の塩基性塩（PbSO₄・PbO、PbSO₄・2PbOなど）が混在したものが用いられます。

物理的性質と結晶構造

[硫酸]]鉛]は無色の結晶または粉末状で、安定な[[結晶構造は斜方晶系の硫酸バリウム型です。しかし、単斜晶系の同質異像体も存在することが知られています。水への溶解度は低く、溶解度積(Ksp)は7.2×10⁻⁸と非常に小さい値を示します。


PbSO₄ ⇌ Pb²⁺(aq) + SO₄²⁻(aq)
Ksp = 7.2 × 10⁻⁸

化学的性質と反応

[硫酸]]鉛]は、[アルカリ水溶液と反応し、鉛酸塩を生じて溶解します。ただし、濃厚アルカリ水溶液中では酸化[[鉛]へと変化します。


PbSO₄ + 3OH⁻ → [Pb(OH)₃]⁻ + SO₄²⁻


濃[硫酸]]には溶解し、硫酸水素[[鉛]₂)を生成します。


PbSO₄ + H₂SO₄ → Pb(HSO₄)₂


また、酢酸塩や[酒石酸]]塩水溶液には錯体を形成して溶解します。1170℃で溶融しますが、1000℃付近から分解が始まり、二酸化硫黄と三酸化硫黄を発生しながら酸化鉛]や[[四酸化三鉛へと変化します。

用途

[硫酸]]鉛]の最も重要な用途は、[鉛蓄電池の正極および負極活物質です。放電状態では両電極とも硫酸鉛]として存在しますが、充電により正極は[酸化されて酸化鉛] (PbO₂)に、負極は[還元されて単体[[鉛]となります。この充電・放電反応は、以下の電気化学反応式で表されます。

正極：

PbO₂ + 4H⁺ + SO₄²⁻ + 2e⁻ ⇌ PbSO₄ + 2H₂O E° = 1.698 V


負極：

PbSO₄ + 2e⁻ ⇌ Pb + SO₄²⁻ E° = -0.3505 V


これらの反応は可逆的であり、鉛蓄電池の充放電を可能にしています。

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