碓井ゆい

碓井ゆい

碓井ゆい（うすい ゆい、1980年 - ）は、日本の現代美術家です。東京都で生まれ、現在は埼玉県を拠点に活動しています。多摩美術大学で油絵を専攻し、京都市立芸術大学大学院で修士号を取得しました。彼女の作品は、油絵、インスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたり、日常的な事象から社会的なテーマまで幅広い領域を扱っています。特に、ジェンダーやフェミニズムの視点を取り入れた作品が多く、現代社会における女性の立場や役割を問いかけるような作品が特徴的です。

来歴

2004年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業後、京都市立芸術大学大学院美術研究科油画専攻を修了しました。その後、国内外で個展やグループ展に多数参加し、精力的に作品を発表しています。2018年には、現代美術の若手作家を対象とした「VOCA展」でVOCA賞を受賞し、その実力が広く認められました。また、2020年の「さいたま国際芸術祭」では、実際に使用できる『授乳室』を展示し、アートと社会との関わりを追求しました。

作品の特徴

碓井ゆいの作品は、日常の何気ない風景やモノを素材として扱い、それらを独特の視点で捉え直すことで、新たな意味や価値を生み出しています。例えば、家庭用品や衣服、身の回りの道具などをモチーフに使い、それらに個人的な記憶や感情を重ね合わせることで、普遍的なテーマを浮かび上がらせています。また、彼女の作品には、女性の視点や経験を反映させたものが多く、ジェンダーの問題や母性といったテーマを扱った作品も多数見られます。これらの作品は、社会的な問題に対して、繊細かつ力強いメッセージを投げかけています。

主な個展

2021年: 『fundamentals curated by XYZcollective』（CADAN有楽町、東京）
2019年: 『Kart Invitation Program Vol.10 碓井ゆい展』（河合塾美術研究所新宿校 Gallery Kart、東京）
2018年: 『ALLNIGHT HAPS2018後期「信仰」』♯1（HAPS office、京都）
2017年: 『from our room』（学習院女子大学文化交流ギャラリー、東京）
2017年: 『碓井ゆい展』（ギャルリー志門、東京）
2017年: 『碓井ゆい展』（横浜市民ギャラリーあざみ野 ショーケースギャラリー、神奈川）
2016年: 『sugar』（XYZ collective、東京）
2016年: 『shadow work』（小山市立車屋美術館、栃木）
2016年: 『speculum』（studio J、大阪）
2013年: 『empty names』（Ain Soph Dispatch、名古屋）
2013年: 『shadow of a coin』（studio J、大阪）
2009年: 『碓井ゆい展』（Ain Soph Dispatch、名古屋）
2008年: 『ghosts』（studio J、大阪）
2006年: 『碓井ゆい展』（INAX Gallery 2、東京）
2006年: 『パーティのあとに』（studio J、大阪）

主なグループ展

2023年: 『産まみ（む）めも』（oz studio 渋谷東、東京）
2023年: 『ケアリング／マザーフッド：「母」から「他者」のケアを考える現代美術―いつ・どこで・だれに・だれが・なぜ・どのように？―』（水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城）
2022年: 『JAPAN. BODY_PERFORM_LIVE Resistance and Resilience in Japanese Contemporary Art』（Padiglione d’Arte Contemporanea、ミラノ）
2022年: 『共にあるところから／With people, Not for people』（興望館 別館、東京）
2022年: 『至るところで　心を集めよ　立っていよ』（SCAI PIRAMIDE、東京）
2022年: 『A Day of House wife』（presented by Ka.hi.ya、東京）
2021年: 『フェミニズムズ』（金沢21世紀美術館、石川）
2021年: 『プンクトゥム：乱反射のフェミニズム』（本屋B＆B／BONUS TRUCK GALLERY、東京）
2020年: 『さいたま国際芸術祭2020』（旧大宮区役所、埼玉）
2020年: 『いのちの裂け目ー布が描き出す近代、青森から』（青森公立大学 国際芸術センター青森、青森）
2019年: 『第4回金沢・世界工芸トリエンナーレ』（金沢21世紀美術館市民ギャラリー、石川）
2019年: 『高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.08』（高松市美術館、香川）
2019年: 『アッセンブリッジ・ナゴヤ2019』（名古屋港一帯、愛知）
2019年: 『あいちトリエンナーレ2019』（名古屋市美術館、愛知）
2019年: 『彼女たちは 叫ぶ、ささやく－ヴァルネラブルな集合体が世界を変える』（東京都美術館ギャラリーB、東京）
2019年: 『更級日記考―女性たちの、想像の部屋』（市原湖畔美術館、千葉）
2018年: 『アッセンブリッジ・ナゴヤ2018』（名古屋港一帯、愛知）
2018年: 『森ビル・森美術館 まちと美術館のプログラム』（虎ノ門・西新橋エリア、東京）
2018年: 『VOCA展2018』（上野の森美術館、東京）
2018年: 『street justice』（Galaxy 銀河系、東京）
2019年: 『現代地方譚5』（すさきまちかどギャラリー他、高知）
2016年: 『アッセンブリッジ・ナゴヤ2016』（名古屋港一帯、愛知）
2015年: 『O』（Shanaynay、パリ）
2015年: 『Japanese Nightingale Doesn’t Sing At Night』（XYZ collective、東京）
2014年: 『XYZcollective At Brennan & Griffin – Man & Play』（Brennan & Griffin、ニューヨーク）
2012年: 『うつせみ』（常懐荘、小牧）
2011年: 『project AOTA SHINYA + andbooks(NISHIZONO ATSUSHI)』（星画廊、名古屋）
2011年: 『有馬温泉路地裏アートプロジェクト 2011』（有馬温泉、神戸）
2010年: 『きろくのきおく』（文化フォーラム春日井・ギャラリー、愛知）
2009年: 『Real Life Sensibility』（京都芸術センター、京都）
2009年: 『放課後の展覧会』（元立誠小学校、京都）
* 2008年: 『太秦出張仕事』（アートスペース虹、京都）

まとめ

碓井ゆいは、日常の風景や身の回りの物を題材に、独自の視点と解釈を通して、現代社会における様々な問題や人間の内面を表現するアーティストです。彼女の作品は、観る者に深い考察を促し、新たな発見をもたらしてくれるでしょう。今後の活躍も大いに期待されます。

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