碓井健平

碓井 健平（うすい けんぺい）

1987年5月15日に千葉県柏市で生まれた碓井健平は、日本の元サッカー選手です。ポジションはゴールキーパー（GK）。特筆すべきは、元サッカー日本代表のフォワードとして活躍した碓井博行氏を実父に持つことです。幼い頃は父と同じく前線でボールを追っていましたが、小学5年生の時にコーチから体の大きさを買われ、「キーパーがいなくて困っているからやってみてくれないか」と勧められたことがきっかけで、GKとしての道を歩み始めました。

静岡県の強豪、藤枝東高校で技術を磨いた後、筑波大学へ進学。大学では1年次からレギュラーとして試合に出場し、チームの主軸を担いました。特に2008年には、全日本大学サッカー選手権大会でチームを決勝に導き、準優勝という好成績に貢献しています。この時期に、関東大学選抜にも選出されるなど、アマチュア年代で将来を嘱望される存在となりました。

大学卒業後の2010年、清水エスパルスに加入し、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせました。プロ入り当初は経験豊富な先輩GKの存在もあり、ベンチを温める日々が続きました。しかし、加入2年目の2011年シーズン途中、チームがリーグ戦で大敗を喫したことを機に、当時の指揮官から出場機会を与えられます。J1リーグ第12節で待望のリーグ戦デビューを果たすと、その後も14試合連続でゴールマウスを守り、一定の出場機会を掴みました。しかし、夏場にかけて複数失点を重ねる試合が続いたことで、再びレギュラーの座を譲ることとなりました。

2012年は他のGKが活躍したこともあり、チーム内での序列が下がり、出場機会はさらに限られたものとなりました。翌2013年、ジェフユナイテッド市原・千葉へ完全移籍を決断します。新たな環境での飛躍が期待されましたが、正GKの牙城を崩すことは難しく、移籍後2シーズンにわたって公式戦への出場は叶いませんでした。

2015年には、3シーズンぶりに古巣である清水エスパルスへ復帰します。しかし、ここでもレギュラー争いは熾烈で、復帰後も出場機会に恵まれない状況が続きました。チームはこの年クラブ史上初のJ2降格を経験。翌2016年は1年でのJ1復帰を果たしますが、その中で碓井選手のリーグ戦出場はわずか3試合にとどまりました。

2017年、FC町田ゼルビアへ期限付き移籍。出場機会を求め新天地に移りますが、ここでも正GKの壁は厚く、シーズンを通して公式戦への出場はありませんでした。同年シーズン終了後、契約満了に伴いチームを離れることになり、その後Jリーグ合同トライアウトに参加しました。

2018年には、当時九州サッカーリーグに所属していた沖縄SVへ完全移籍することが発表されました。沖縄SVで2シーズンプレーした後、2019年12月13日、32歳でプロサッカー選手としてのキャリアに幕を下ろすことを発表しました。

キャリアを通じて多くのクラブを渡り歩き、出場機会を得るために戦い続けた選手生活でした。目標とするGKとして、イケル・カシージャスとジャンルイジ・ブッフォンという世界のトッププレーヤーの名前を挙げています。趣味は釣り。アンダー世代の日本代表候補や、国体静岡県選抜としてもプレー経験があり、アマチュア時代には全国レベルの大会で準優勝や優勝も経験しています。

様々な経験を積み重ねた碓井健平氏は、約10年間のプロキャリアを走り抜きました。

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