磯崎寛也

磯崎 寛也（いそざき ひろや）

磯崎寛也（1965年生まれ）は、日本の詩人であり画家です。茨城県の日立市に生まれ、現在多方面で活躍しています。彼の人生の中で経験した数々の出来事が、彼の作品や活動に大きな影響を与えています。

学歴と初期のキャリア

磯崎は茨城県立水戸第一高等学校を経て、早稲田大学第一文学部を卒業しました。1989年には西武百貨店に入社し、営業企画部で働き始めました。この時期は企業でのビジネス経験を積む大切な時でもありましたが、彼の芸術活動はこの頃にはまだ始まっていませんでした。

震災の影響

彼の人生に大きな転機をもたらしたのは、1995年の阪神・淡路大震災です。新店オープンの企画担当として神戸に滞在していた際に災害に遭遇しました。この経験は、彼の心に深く刻まれ、後のアート活動に影響を与えることになります。さらに、2011年には茨城県水戸市で東日本大震災にも被災し、その後の生活において地域のアートプロジェクトに参加する契機ともなります。

震災を経て、磯崎は地域のアーティストたちと連携し、空き店舗を利用してアートプロジェクトをいくつも開催するようになりました。この活動は、震災の記憶を風化させないための重要な試みでもありました。

芸術活動へのシフト

2010年、磯崎は十和田市現代美術館のゼネラルマネージャーに就任。この役割は、彼が芸術の世界に本格的に関わるきっかけの一つとなりましたが、2017年には脊椎炎を患い入院。この入院生活が人生観を変えるきっかけともなり、彼は詩作を始めることになります。

詩画集の刊行

そして、伊藤公象の勧めで、2022年にようやく詩画集『ソラリスの襞』を刊行しました。この作品は、多くの人々に評価され、彼の芸術家としての活動を一層活発にしました。続いて2023年には詩集『キメラ／鮫鯨』を発表し、日本詩人クラブ新人賞の候補にもなりました。

新たな展開

2024年には詩集『ピルグリム』を発表し、同年9月には同人誌『VOY』を刊行。当初の創刊号には細見和之や江弘毅といった他の作家も寄稿し、彼の活動は新たな広がりを見せています。これらの作品を通じて、彼は自身の詩的表現を深化させ、視覚芸術との融合を探求し続けています。

メディア出演

また、磯崎はテレビ神奈川の番組「イイコト」にレギュラー出演しており、彼自身の表現活動だけでなく、広く文化や芸術についても発信しています。

磯崎寛也の作品は、彼自身の経験と視点が色濃く反映されており、震災という試練を通じて培われた思想が根底にあります。今後の活動からも目が離せません。

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