磯野真穂

磯野 真穂 - 人類学者の軌跡

磯野真穂（いその まほ）は、日本を代表する人類学者であり、特に文化人類学と医療人類学の分野で顕著な業績を残しています。1976年に長野県安曇野市で生まれた彼女は、地元の松本深志高等学校を卒業後、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科に進学しました。1999年に卒業後、アメリカのオレゴン州立大学で応用人類学を学び、修士号を取得しました。

その後、早稲田大学の文学研究科に進み、2010年に「医療の語らなかった摂食障害 摂食障害の食の文化人類学的探求」をテーマに博士号を取得しました。この研究は、摂食障害における食文化の深層を掘り下げるもので、彼女の専門分野への関心をさらに深めるものでした。

学問的なキャリアは早稲田大学アジア太平洋研究センターの助手から始まり、2011年には文化構想学部の助教に就任します。2015年には国際医療福祉大学での講師職を得て、さらに準教授を任されました。しかし、2020年度以降は独立した研究者として活動を開始し、2024年4月から東京工業大学の教授となる予定です。

著作と研究

磯野真穂の著作は、多岐にわたります。彼女の代表的な著作には、『なぜふつうに食べられないのか - 拒食と過食の文化人類学』があり、2015年に発表されました。この書籍では、摂食障害を文化的視点から分析し、食べることの意味について掘り下げています。

続いて、2017年に出版された『医療者が語る答えなき世界 - 「いのちの守り人」の人類学』や、2019年に発表された『ダイエット幻想 - やせること、愛されること』は、医療やダイエットにまつわる文化的側面を探求しています。彼女の著作は、一般の読者にも理解しやすい内容となっており、人類学の視点から現代社会のさまざまな問題を掘り下げています。

2022年には、病気や死というテーマを扱った『他者と生きるリスク・病い・死をめぐる人類学』が出版され、2024年にはコロナウイルスの影響を考察した『コロナ禍と出会い直す - 不要不急の人類学ノート』が予定されています。さらに、彼女は宮野真生子との共著で『急に具合が悪くなる』（2019年）を出版し、医療の現場での人間的側面について考察しています。

メディア出演

磯野氏はラジオ番組「人間理解プロジェクト ぶっとばせ！コモンセンス」にも出演し、人類学的な視点から現代社会を分析する姿勢を広めています。この番組は、彼女の考えや研究をより広く伝える場となっています。

まとめ

総じて、磯野真穂は、文化人類学と医療人類学を通じて、現代社会におけるさまざまな問題を深く掘り下げ、独自の視点で解釈しています。彼女の研究は、専門家だけでなく一般の人々にも影響を与える重要なものであり、今後の活躍にも期待が寄せられています。

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