神に背を向けた男

神に背を向けた男

『神に背を向けた男』は、和田慎二原作、浜田翔子作画による漫画作品です。1992年から1994年にかけて白泉社の「セリエミステリー」で不定期に連載され、コミックス全5巻、文庫版全3巻で刊行されました。

概要

本作は、政財界の大物による陰謀によって両親を殺害され、姉を陵辱された少年・郷田佳樹が、復讐を誓い、香港の大財閥・連妙寺家の当主・さえ子の養子となる物語です。しかし、それは愛人としての立場であり、生きている姉のために屈辱を耐え忍ぶ日々でした。さえ子の死後、連妙寺家の全てを相続した佳樹は、凄絶な闘いの末に復讐を遂げます。強者となった後も、佳樹は常に命を狙われ続け、過激な戦いに身を投じていきます。強烈なエロスとバイオレンスを織り交ぜながら、主人公の復讐劇を描いたレディースコミックの異色作です。

登場人物

連妙寺佳樹（郷田佳樹）

本作の主人公。中学生の頃、政財界の大物・勝又寅造によって両親を殺され、姉を陵辱された上に植物人間にされてしまいます。姉の生命維持のための資金と引き換えに、香港の大財閥・連妙寺家の当主であるさえ子のペットとなることを承諾。さえ子に飼われながら、勝又への復讐の機会を窺っていました。さえ子の死後、連妙寺家の当主となります。

島津高之

連妙寺家の秘書であり、超一流の調香師。元々はさえ子に仕えていましたが、さえ子亡き後は佳樹の片腕として付き従います。若い頃に参加した化学実験によって全身が猛毒の体となり、体液で人を毒殺することができます。連妙寺家に仕える以前の戦闘で右目を負傷し、隻眼となっています。

連妙寺郁人（勝又郁人）

佳樹の仇である勝又虎造の長男。父の非道な行いを目の当たりにし、佳樹と共に生きることを選びます。父の死後、連妙寺家に入り、佳樹を支える存在となります。

連妙寺さえ子

香港の裏社会を牛耳る連妙寺家の当主。醜悪な容姿と強烈な体臭という欠点を持つものの、莫大な富と権力によって人々を従えています。身寄りのなくなった佳樹をペットとして迎え、マナーから性技まであらゆることを仕込み、寵愛しました。

* 連妙寺エイミ

連妙寺さえ子の腹違いの妹。さえ子の目を逃れるため、長らく離島に隠れ住んでいました。後見人であるシスター・マリアの意向により、連妙寺家の正当な後継者として名乗りを上げます。佳樹はこれを了承し、連妙寺家の当主の座を譲ります。

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