神吉宏充

神吉宏充七段：将棋界のエンターテイナー

1959年生まれ、兵庫県加古川市出身の神吉宏充七段は、2011年の引退まで将棋界で活躍した棋士です。内藤國雄九段を師事し、棋士番号は160番。独特の棋風と、将棋界きってのエンターテイナーとして知られています。

棋士としての歩み

小学生時代に将棋を始め、中学生で本格的に打ち込み始めます。アマチュア名人戦では兵庫県代表として全国大会に出場、18歳ながらベスト4の好成績を収めました。1978年、内藤九段門下として奨励会に入会。会社員生活を経て、1983年に四段昇段を果たしプロ棋士となりました。

神吉七段の棋戦成績は、NHK杯戦での活躍が目立ちます。予選を勝ち抜き、本戦では先崎学八段や加藤一二三九段といった強豪棋士を破る活躍を見せました。特に1994年のNHK杯では準々決勝に進出、加藤九段を破った際には師匠である内藤九段も加わった感想戦で喜びを爆発させました。1999年のNHK杯では森内俊之十四世名人にも勝利しています。

順位戦では、C級2組からC級1組への昇級は叶いませんでしたが、長年にわたり昇級争いを繰り広げました。2000年度にフリークラスへ降級し、2010年度をもって引退。最後の対局は2011年6月1日に行われた竜王戦でした。

独自の棋風と指導

神吉七段は振り飛車穴熊戦法を得意とし、独自の「神吉流穴熊」を開発するなど、幅広い戦法を駆使しました。先崎学八段によると、アマチュア相手には羽生善治九段よりも強いとのこと。これはプロ棋士は詰み筋を読むのに対し、アマチュアは読まないため、アマチュアの力量に合わせて指せば勝てるという理由からです。

2005年には瀬川晶司六段のプロ編入試験の試験官を務め、全身ピンクのスーツ姿で話題となりました。瀬川の勝利後には励ましの言葉をかけ、後に映画化された瀬川さんの自伝『泣き虫しょったんの奇跡』にも出演しています。

エンターテイナーとしての顔

神吉七段は棋士としてだけでなく、数々のバラエティ番組にも出演。NHKの「大逆転[[将棋]]」では司会と構成を務め、「囲碁将棋ウィークリー」の初代キャスターも務めました。「探偵！ナイトスクープ」など、将棋以外の番組にも出演するなど、その活躍は多岐に渡ります。

また、1993年にはNHK将棋講座「神吉、林葉のおしえて！ショーギ」で講師を担当。2000年には「次の一手名人戦」でプロ棋士として唯一「次の一手名人」の称号を獲得しました。

さらに、将棋教室「プロ棋士神吉七段の大逆転[[将棋]]倶楽部」を開設し、後進の指導にも力を入れています。

人物像

身長179cm、体重120kgと恵まれた体格を持ち、酒豪としても有名です。映画好きで、2007年時点で1500本以上のDVDやビデオテープを所有していました。

師匠である内藤九段と同様、詰将棋の創作活動も行い、歌手活動の経験もあります。

まとめ

神吉宏充七段は、その卓越した将棋の腕前と、エンターテイナーとしての魅力で多くの人々を惹きつけました。引退後も将棋界に貢献し続け、その存在感は今もなお輝いています。彼の功績は、将棋界の歴史に刻まれるでしょう。

昇段履歴

1978年：奨励会入会（1級）
1979年：初段
1983年：四段（プロ入り）
1988年：五段
1996年：六段
2010年：七段
2011年：引退

著書

神吉宏充のおしえて！ショーギ
よくわかる将棋入門
カンキの双玉詰[[将棋]]傑作選

出演

羽生善治の おしえて！将棋
橋本道場 負けて勝つ!
叡王戦記念特番 東西対抗 詰将棋カラオケ

ゲーム監修

将棋風林火山
* 詰将棋 神吉五段

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