神坂一

神坂一：ライトノベル界の先駆者

神坂一（かんざか はじめ）は、1964年7月17日生まれの日本のライトノベル作家です。兵庫県朝来市出身で、ファンタジーとSF作品を中心に執筆活動を行っています。彼の代表作である『スレイヤーズ』シリーズは、ライトノベル界に大きな影響を与え、現在でも多くのファンに愛されています。

生い立ちとデビュー

芦屋芸術学院（現・専門学校アートカレッジ神戸）を卒業後、会社員として働いていた神坂一は、1989年に『第1回ファンタジア長編小説大賞』に応募し、後の『スレイヤーズ！』となる作品で準入選を果たしました。当時はまだ自宅に電話がなかったため、受賞の知らせはカタカナで書かれた速達郵便で届いたそうです。同年、『白魔術都市の王子』が『月刊ドラゴンマガジン』に掲載され、作家としてデビューしました。

ライトノベルの黎明期には、他業種から来たライターが作品を手がけるのが一般的でしたが、神坂一のように新人賞出身の生え抜き作家が登場し始めたのは画期的なことでした。彼はその後、『ファンタジア長編小説大賞』の最終選考委員を第8回から第20回まで務め、後進の育成にも貢献しました。

会社を退職後は、専業作家として活動。『スレイヤーズ』シリーズは2000年に本編が一旦完結しましたが、短編は2011年まで発表され続けました。そして、2018年には本編の第16巻『アテッサの邂逅』が発売され、18年ぶりにシリーズが再開し、ファンを歓喜させました。

角川スニーカー文庫からもSF・ファンタジー小説を発表し、読者層を広げました。『スレイヤーズ』のアニメ放映中だった90年代後半には、長者番付の作家部門で上位にランクインするなど、人気を博しました。

作風と人物

神坂一はSF好きであり、初期のSFシリーズ『ロスト・ユニバース』では、実際に衛星軌道上から惑星への攻撃を描写するなど、その知識を作品に活かしています。また、ガンプラ好きとしても知られ、作品のあとがきには『機動戦士ガンダム』の有名な台詞やシチュエーションが引用されることが多く、『スター・ウォーズ』シリーズのファンでもあります。

同じファンタジア文庫作家である秋田禎信とは親交があり、『スレイヤーズ』と秋田禎信の代表作『魔術士オーフェン』は雑誌企画でコラボレーションを果たし、書籍化もされています。

猫好きとしても知られており、近所の野良猫を探しながら散歩するのが趣味とのこと。また、妖怪好きでもあり、特に好きな妖怪はバックベアード。水木しげるロードの妖怪オブジェに個人で3体を寄贈するなど、その愛好ぶりは広く知られています。

イラストも趣味で手がけており、公認ファンクラブの会報では自らデザインしたキャラクター「L様」を表紙に描いています。ファンレターへの返信には、イラスト入りの年賀状を送るなど、ファンサービスも欠かしません。文庫の人気投票では、1万枚ものハガキが届き、実家の妹と2人で返信作業を行ったというエピソードも。

作品リスト（一部）

富士見ファンタジア文庫
スレイヤーズシリーズ
ロスト・ユニバース
クロスカディア
アビスゲート
角川スニーカー文庫
日帰りクエスト
闇の運命を背負う者
* トラブルシューター シェリフスターズ

まとめ

神坂一は、ライトノベル界の先駆者として、多くの読者に夢と感動を与え続けています。彼の作品は、ファンタジー、SF、ユーモアなど、様々な要素が組み合わされており、幅広い層の読者を引きつけています。これからも彼の新たな作品が、多くの人々を魅了することでしょう。

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