神奈川朝鮮人学校事件

神奈川朝鮮人学校事件

神奈川朝鮮人学校事件は、1951年6月13日に神奈川県横浜市神奈川区で発生した一連の暴動である。この事件は、地域の朝鮮人学校の共同イベントにおいて警察との衝突が引き起こされた。

イベントの背景

当日は、横浜市立青木小学校分校（現在の横浜朝鮮初級学校）で、神奈川県下の朝鮮人学校PTAが主催する連合運動会が行われていた。多くの参加者が集まり、賑やかな雰囲気の中で運動会は進行していたが、会場には警備のため横浜市警察の警察官も配置されていた。

事件の発生

事件は、午後3時30分頃に突発した。運動会の参加者が警察官に対し、「なぜ棍棒とピストルを持っているのか」と問いかけ始め、警官に場外に出るよう要求したことから発展した。一部の参加者が警察官に対し暴力行為を行ったことが、騒動の引き金となり、公務執行妨害として一人を検挙しようとする警察に対して、場内は約2時間にもわたる大乱闘に発展した。混乱の中、双方は言葉の応酬や身体的な衝突を繰り返し、周囲の参加者も巻き込まれていった。

応援と混乱

事件が進行する中で、運動会参加者の中から「吉田の犬を倒せ！」や「検束者を釈放せよ！」といった叫び声が上がり、参加者は横浜市警察本部に押しかけることとなった。横浜市警察本部は当時横浜駅の東口に位置しており、この時間帯は通勤通学客が多く行き交うラッシュアワーであったため、現場は混乱の極みに陥った。約500人が集まり、現場は大騒動を引き起こし、一般市民も事件に巻き込まれる事態となった。

警察の対応

午後6時に運動会は一旦解散したが、多くの参加者は警察本部前に留まり続け、情勢はさらに緊迫した。横浜市警察は約1000人の警察官を動員し、事態の収拾にあたった。午後8時までにようやく騒動は収束し、その際に公安条例違反の疑いで28人が逮捕された。警察は、参加者の暴動行為を抑制し、公共の安全を確保するための措置を講じた。

まとめ

神奈川朝鮮人学校事件は、地域社会に深い影響を与えただけでなく、在日朝鮮人の人権問題に関しても議論を呼ぶ事件として記憶されている。この事件を通じて、地域社会における民族間の緊張や、警察と市民の関係について考える機会が提供された。

参考文献

• - 『神奈川新聞』1951年6月14日朝刊

関連項目

• - 朝鮮学校
• - 横浜朝鮮初級学校
• - 横浜市警察
• - 王子朝鮮人学校事件
• - 阪神教育事件

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