神奈川県立伊勢原射撃場

神奈川県立伊勢原射撃場

神奈川県伊勢原市に所在する神奈川県立伊勢原射撃場は、公営の射撃場として多様な射撃競技を提供しています。この施設には、クレー射撃のための国際トラップルール射撃場が3面、国際スキートルール射撃場が2面設置されており、射撃愛好者にとって魅力的な環境が整っています。また、ライフル射撃場も充実しており、10mエアライフル競技場や50mライフル競技場のほか、50mと100mの大口径ライフルおよびピストル射撃のための設備も完備されています。これらの施設は、一般社団法人神奈川県射撃協会によって管理されています。

歴史的背景

伊勢原射撃場の歴史は、1972年に遡ります。元々は横浜市金沢区にあった富岡射撃場が移転された形で、かつてこの場は1955年に行われた第10回国体や、1958年のアジア大会の会場としても利用されていました。しかし、周辺の住宅地の拡大に伴い、1970年には流れ弾による事故が発生するなど、安全面での問題も生じていました。

1998年には、かながわ・ゆめ国体の開催に向けて大規模な改修がおこなわれました。当初、クレー射撃が予定されていましたが、1997年に発生したリハーサル大会でのセクハラ問題が影響し、クレー射撃協会は参加を辞退しました。このため、射撃場の設営にも影響が生じました。その後、井戸水から基準値を超える鉛が検出されたことを受けて、2002年には一時閉鎖されることとなります。

改修と再開

2013年までに行われた大規模改修後、射撃場は再開されました。2015年には、和歌山県で開催された紀の国わかやま国体においてクレー射撃競技が行われただけでなく、国からの指定によりナショナルトレーニングセンターの競技別強化拠点に指定されるほど、重要な役割を果たす施設となりました。

ライフル射撃場も国体開催に合わせて新たに整備され、国際ルールに準拠した10mおよび50m射撃場が設置されました。ただし、クレー射撃場の鉛問題により、ライフル射撃場も同時に閉鎖される事態に見舞われ、県内の学生射撃活動に大きな影響を与えました。再開後は、10m射場に15台のビームライフル標的が設置され、一般市民向けのライフルスポーツの体験及び修練の機会が提供されています。

伊勢原射撃場は、地元の射撃愛好者だけでなく、プロ選手にとっても重要なトレーニングの場となっています。射撃の楽しさを多くの人々と共有しながら、今後もさらなる発展を遂げることが期待されています。

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