神奈川県立大秦野高等学校

神奈川県立大秦野高等学校は、かつて神奈川県秦野市桜町二丁目に位置していた公立高等学校です。地元では「おっぱ」「おっぱだ」という愛称で親しまれていました。毎年5月に行われる体育祭は「水涼祭（すいりょうさい）」、9月に行われる文化祭は「紫苑祭（しおんさい）」と呼ばれ、生徒たちの活気にあふれるイベントとして地域でも知られていました。

1926年（大正15年）4月10日に、4年制の神奈川県秦野町立実科高等女学校としてその歴史をスタートさせました。この4月10日は、開校記念日として長く記憶されています。その後、1931年（昭和6年）4月1日には秦野町立秦野高等女学校と改称し、1940年（昭和15年）3月1日には県に移管され、神奈川県立秦野高等女学校となりました。

戦後の学制改革に伴い、1949年（昭和24年）4月1日には定時制夜間課程が設置され、多様な生徒のニーズに応える教育を提供しました。そして、1950年（昭和25年）4月1日、神奈川県立大秦野高等学校と改称し、新たな歴史を刻み始めました。1981年（昭和56年）4月1日には男女共学となり、より多様な生徒が集まるようになりました。

しかし、時代の流れとともに学校を取り巻く環境も変化し、2008年（平成20年）3月末をもって神奈川県立秦野南が丘高等学校と統合し、神奈川県立秦野総合高等学校として再編されることになりました。これにより、神奈川県立大秦野高等学校はその歴史に幕を閉じました。

閉校後の跡地には、神奈川県立西部総合職業技術校が建てられ、新たな教育の場として活用されています。大秦野高校の卒業生たちは、それぞれの道で活躍しており、その中には著名な人物も多くいます。例えば、ロックバンドLUNA SEAのメンバーであるJ（本名：小野瀬潤）とINORAN（本名：井上清信）は、この高校の卒業生です。また、落語家の昔昔亭喜太郎（本名：佐藤隆行）、サッカー選手の茂庭照幸（2006 FIFAワールドカップ日本代表）も卒業生として知られています。

大秦野高等学校は、多くの生徒たちの青春を見守り、地域に根ざした教育機関としての役割を果たしました。その歴史は、神奈川県高等学校の廃校一覧や高等女学校の歴史とともに語り継がれています。閉校してもなお、卒業生たちの心の中に、その名前と記憶は生き続けています。

もう一度検索