神奈川県立岡津高等学校

神奈川県立岡津高等学校について

神奈川県立岡津高等学校は、かつて神奈川県横浜市泉区岡津町に位置した公立の高等学校です。この高校は、相鉄いずみ野線沿線に開発された緑園都市という住宅地域に近接しており、周囲は小高い丘を形成し、緑豊かな自然に恵まれた環境にありました。最寄り駅である緑園都市駅周辺には高層マンションやショッピングセンターなどが立ち並び、近代的なベッドタウンの雰囲気が漂っていましたが、それを少し離れると畑や林が広がり、自然に親しめる土地でした。

この学校は、1980年代には多くの生徒が東海大学、関東学院大学、神奈川大学、明治大学、早稲田大学などの4年制大学へと進学しており、学業面でも成果を上げていました。文化やスポーツ活動も盛んで、近年ではラグビー部が横浜市総合体育大会での優勝を果たし、バレーボール部や吹奏楽部も関東大会に進出するなどの実績を残していました。また、写真部は全国大会での活動も行っており、多岐にわたる活動が生徒達の成長に寄与していました。

高校の設立は昭和40年代にさかのぼります。神奈川県が推進した「県立高校100校新設計画」に基づき、横浜西部地域での人口増加が見込まれたため、新たに設立されることが期待されていました。相模鉄道のいずみ野線が1976年に開通し、通学の利便性も向上しました。しかし、時代とともに高校進学人口が減少し、学区制度の廃止や他の高校へのアクセスも容易になったことで、岡津高等学校の定員や在校生数は減少してしまいました。

ついには2008年4月に神奈川県立和泉高等学校と統合され、神奈川県立横浜緑園総合高等学校として新たに生まれ変わりました。この新学校は、総合学科（単位制）を採用し、複数のコースが提供される形となりました。具体的には「自然環境」「文化教養」「生活福祉」「国際理解」「情報ビジネス」「健康スポーツ」といった分野に分かれて単位を取得することができました。

また、統合に先立ち2006年4月から岡津高校と和泉高校は制服や教科書を統一し、新しい学校へと円滑に移行する準備が進められていました。和泉高校の学校施設は横浜修悠館に受け継がれました。

この学校からは多くの著名な出身者がいます。例えば、バレーボール選手の安藤典莉子や、サッカー選手の美尾敦、小原章吾、さらにはお笑い芸人の和田貴志などがその代表例です。

平成の時代に多くの生徒に愛された神奈川県立岡津高等学校ですが、その歴史は2008年の統合により一つの幕を閉じました。その歩みや生徒達の青春のエピソードは、神奈川県の教育史の中で重要な役割を果たしたことでしょう。

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