神奈川県立県民ホール

神奈川県立県民ホール

神奈川県立県民ホールは、神奈川県横浜市中区山下町にある県営の複合文化施設です。この施設は、神奈川県民ホール本館とKAAT神奈川芸術劇場の2つの主要な建物から構成されており、大小5つの劇場を持ち、約4,600名を収容できる大規模な文化施設となっています。公益財団法人神奈川芸術文化財団がこのホールの管理運営を担っています。

神奈川県民ホール（本館）

本館は、1975年に開館され、県民の文化芸術の振興や福祉の増進を目的とした施設です。開館以来、稼働率は80%を超える高い数字を維持しており、幅広いジャンルの催しに利用されています。特に海外オペラの公演や地域の企業、県民による利用が目立ちます。2014年には施設の改修が行われ、安全性や快適性が向上し、リニューアルオープンを果たしました。しかし、2025年からは無期限の休館が予定されています。

KAAT神奈川芸術劇場（KAAT）

KAATは2011年に開館し、「モノをつくる」「人をつくる」「まちをつくる」という3つのミッションを掲げた創造型劇場です。この劇場は、産業や地域の活性化に寄与する取り組みを行っています。

KAAT建設までの経緯

KAATの建設以前、同地には神奈川県山下町分庁舎が存在していました。その跡地に2000年にオープンしたのが横浜21世紀座というドーム型の仮設劇場で、当時の芸術監督は坂東玉三郎が務めました。しかし、施設に関する音響の問題などが指摘され、運営会社から神奈川県が買収し、かながわドームシアターとして再出発を遂げました。最終的には2007年に新しいKAATの建設が始まり、2010年に竣工しました。

施設と公演設備

県民ホール本館の設備

本館の大ホールは、NHKホールをモデルにした最大の劇場であり、さまざまな公演が行われます。定員は2,493名で、ポップスやオーケストラ、オペラなどが主な催しです。また、小ホールでは日本初のパイプオルガンがあり、室内楽や講演会などに特化しています。

KAATの設備

KAATの最大の劇場である中ホールでは、座席の動きが可能なため、様々な公演形態に柔軟に対応できます。ミュージカルや演劇、ダンスイベントなどが行われており、定員は1,262名です。さらに、大スタジオや中スタジオ、小スタジオでは、演劇やダンスの公演やリハーサルに利用されており、それぞれ異なる規模のイベントに特化しています。

両施設の共同運営

神奈川県民ホール本館とKAATは、ワークピア横浜を挟んで隣接しており、独立したプロモーションを行いつつも連携が図られています。両館での同時開催イベントや、宝塚歌劇団や劇団四季の公演が行われるなど、地域の文化活動に光を当てる重要な役割を果たしています。

全体として、神奈川県立県民ホールは地域文化の発展や市民の交流を促進するための重要な拠点となっています。

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