神戸ノート

神戸ノートとは

神戸ノートは、関西ノート株式会社が製造する学習帳です。主に神戸市内の文房具店やスーパーマーケットの文具コーナーで販売されており、神戸市の小学生の多くが使用しています。その種類は小学校の教科や学年ごとに異なり、約20種類にも及びます。表紙には、神戸のシンボルであるポートタワーや、市民の憩いの場である東遊園地など、神戸を代表する名所の写真が使用されているのが特徴です。

神戸ノートの歴史

神戸ノートが神戸市内で広く普及した背景には、戦後の物資不足の時代に「子供たちに質の良いノートを使わせてあげたい」という神戸市当局の強い意向がありました。この意向を受け、神戸市長田区に本社を置く関西ノート株式会社に製造が依頼されたのが始まりです。神戸市教育委員会が公式に指定や推薦をしているわけではありませんが、PTAや地元自治会が新入学のお祝いとして贈呈することが多く、その後も継続して使用されることが一般的です。

ジャポニカ学習帳との競合

学習帳市場で国内最大のシェアを誇るジャポニカ学習帳は、神戸市内ではほとんど販売されていません。一部の文房具店ではジャポニカ学習帳を取り扱っていないほどです。ジャポニカ学習帳を製造・販売するショウワノートの営業担当者も、「小売店や学校に営業をかけても反応は鈍く、他地域とは異なり付け入る隙がない」と、その特異な状況を認めています。

神戸ノートのデザイン

現在製造されている神戸ノートはすべてB5判ですが、過去にはA5判のサイズも存在していました。また、かつては「ローマ字練習帳」や「保健」、「道徳」などの教科に対応したノートや、表紙から取り外せる「作文帳」や「グラフ用紙」などの種類も存在していました。

その他の特徴

• - グッドデザイン賞受賞: 2017年度には、神戸ノートがグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。
• - 鉄道グッズ: 阪神電鉄の車両や駅の写真をデザインした自由帳が鉄道グッズとして販売され、通信販売でも購入できます。
• - オリジナルノート: 関西ノート株式会社では、小学校の開校記念日などの記念品として、オリジナルの神戸ノートを作成するサービスも提供しています。
• - B7判サイズ: 2018年3月からは、B7判サイズの「神戸ノートB7」が発売されました。全12種類があり、3種類ずつがセットになった「神戸ノートアソート」として、神戸市内の主要文具店やお土産売り場などで販売されています。ただし、B7判サイズのノートは、表紙のデザインのみが神戸ノートを再現したもので、本文部分は自由帳（無地）となっています。

神戸ノートが登場する作品

• - 『素数姫の素数入門』: この小説の表紙カバーには、神戸ノートの算数帳を持った白衣の女性が描かれており、カバーを外すと神戸ノート風の装丁になっています。小説の主人公である「素数姫」の素数の知識は、いつも持ち歩いている算数帳に書かれているという設定で、この算数帳は現在は廃版となっている神戸市役所が表紙の算数帳です。
• - 『水道筋練習帳』: 神戸市灘区の水道筋商店街では、2010年から2012年まで、神戸ノートの表紙をモチーフにしたフリーペーパー『水道筋練習帳』を発行していました。

神戸ノートは、地域に根ざした文房具として、神戸市民に長く愛され続けている存在です。

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