神戸市交通局600形電車

神戸市交通局600形電車

神戸市交通局600形電車は、かつて神戸市交通局が運営していた神戸市電で使用されていた路面電車車両です。

概要

600形は、1937年に木造車であったC車（501 - 510）を鋼体化改造した車両として、神戸市電気局長田車両工場で製造されました。車体のデザインは、単車であった300形をボギー車にしたような外観で、後に製造された700形と比較すると、やや無骨な印象を与えるものでした。601 - 605の車両については、運転台右側の乗降用扉にドアエンジンが設置され、当時としては珍しい自動扉となっていました。

足回りには、旧C車で使用されていたマキシマムトラクション台車が流用されました。ただし、台車の向きはC車とは逆に、小径の車輪を外側に出すように変更されています。

戦災により602号車が廃車となったため、610号車を2代目の602号車に改番し、欠番を埋めて601 - 609の9両体制となりました。

晩年は石屋川車庫に配置され、運用されていましたが、1969年に全車が廃車となり、形式消滅しました。609号車のみが保存対象となり、700形708号車とともに王子動物園で保存されました。その後、神戸市営地下鉄名谷車両基地に移送され、カバーを被せられた状態で側線に留置・保管されていましたが、1999年に解体されました。解体後、台車や床下機器はアメリカの保存団体に寄贈されています。

参考文献

神戸市交通局編『神戸市交通局八十年史』、神戸市交通局、2001年
「神戸市電 車両史」『鉄道ファン』No.122（1971年7月号）、交友社
小山敏夫『全盛期の神戸市電』（上）、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY No.75〉、2005年11月 ISBN 4-7770-5128-5
小西滋男・宮武浩二『全盛期の神戸市電』（下）、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY No.76〉、2005年12月 ISBN 4-7770-5129-3

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