神戸市電磯上線

神戸市電磯上線：短い歴史と消えた軌跡

神戸市電磯上線は、神戸市内の瀧道停留場と春日野停留場を結んでいた路面電車路線です。短いながらも、神戸の街の歴史を刻んだこの路線の興亡について、詳しく見ていきましょう。

開業から市電へ

1910年4月5日、神戸電気鉄道によって春日野停留場から兵庫駅前停留場までの区間が開業しました。全長5.808kmの路線は、神戸の街の発展とともに重要な役割を担ったことでしょう。その後、1913年には会社名が神戸電気へと変更されました。そして1917年8月1日、神戸電気は神戸市に買収され、磯上線は神戸市電の路線となりました。この買収に伴い、瀧道停留場から兵庫駅前停留場間は栄町本線と名称変更されました。

磯上線の停留場と路線変更

1934年以前には、磯上通1丁目停留場と磯上通6丁目停留場が設置され、一方、磯上通5丁目停留場は廃止されました。路線の状況や利用状況の変化を反映したこれらの変更は、当時の街の情勢を物語っています。

廃止への道

1935年1月1日、磯上線と並行する東部国道線が新たに開業しました。これにより、磯上線の乗客は減少、運行は休止に追い込まれました。同年7月2日には、瀧道停留場は瀧道分岐点へと格下げされました。そして、ついに1935年12月24日、休止状態が続いていた瀧道分岐点から春日野停留場間の路線が廃止され、磯上線は完全にその歴史の幕を閉じました。わずか25年の歴史でした。

廃止時の駅一覧

磯上線が廃止された1935年12月24日時点での駅一覧です。残念ながら、具体的な駅位置や詳細な情報は現存資料では確認できませんでした。

具体的な駅名は資料不足のため記載できません。 (※ 駅名に関する情報は、公開されている資料では不十分でした。今後の調査で詳細な情報が判明する可能性があります。)

参考文献

磯上線の歴史を紐解く上で参考にした資料は以下の通りです。これらの資料から断片的な情報を集め、この記述をまとめました。

鉄道廃線跡一覧表（兵庫県内） - 神戸・兵庫の郷土史
神戸市文書館 神戸歴史年表
28兵庫県 - 詳細表示 - きまぐれ収集家の収集日記（鉄道編） - ウェイバックマシン
記念乗車券-5
記念乗車券-6
昭和37年7月現在の電車運転系統図

まとめ

磯上線は、わずか25年の短い歴史の中で、神戸市の発展の一端を担いました。しかし、時代の流れとともに、東部国道線の開業という競合路線の出現や利用客の減少など、様々な要因が重なり、廃止という運命を辿ることになりました。この路線の短い歴史は、都市交通の変遷と、街の成長を反映していると言えるでしょう。残された資料は限られていますが、そのわずかな情報から、かつて存在した磯上線の姿を想像し、神戸の歴史の一ページを垣間見ることができます。

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