神戸拘置所

神戸拘置所について

神戸拘置所（こうべこうちしょ）は、法務省矯正局が管轄する拘置所の一つであり、大阪矯正管区に属しています。全国には、東京・立川・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡と8カ所の主要な拘置所が存在し、神戸拘置所はその中でも特に重要な役割を果たしています。通称として「神拘（しんこう）」と称されるこの施設は、法的な手続きが行われる場所として、多くの人々に認知されています。

所在地

神戸拘置所は、兵庫県神戸市北区ひよどり北町2-1に位置しています。アクセスは非常に便利で、市道夢野白川線の鵯インターチェンジから約3分の距離にあり、JR西日本の神戸駅や阪神神戸高速線の高速神戸駅からは市バスを利用することで「ひよどり台北町」バス停に到達することができます。

収容者の概要

この施設には、主に刑事被告人が収容されており、A級受刑者に対しても執行が行われることがあります。神戸拘置所の定員は508名とされており、一定の収容能力を有しています。

歴史

神戸拘置所の歴史は大正7年（1918年）にさかのぼります。当初は「神戸監獄橘通出張所」として設立され、その後大正11年（1922年）に「神戸刑務所橘通出張所」と改称されました。昭和16年（1941年）には独立した「神戸拘置所」となり、昭和21年（1946年）に神戸市兵庫区菊水町へ移転。そして、昭和53年（1978年）には現在の場所に移されました。

組織

神戸拘置所は、所長の下に2部1課という組織体制を持っています。この組織は、総務部（庶務・会計・用度）、処遇部（処遇・企画）、そして医務課（医療・保健）の3つの部門から構成され、施設内での管理業務や被収容者の処遇に関する様々な業務を行っています。

設備

敷地全体の面積は66,184平方メートル、建物の総面積は20,095平方メートルで、これらの広大なスペースには、収容施設や作業所、医療施設などが整備されています。

事件の概要

神戸拘置所は、過去にいくつかの事件に関与してきました。特に注目すべきは2005年に発生した凍死事件です。この事件では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で収容されていた男性が、体調不良を訴え翌年に死亡しました。独房内の窓が開け放たれたままだったため、外気が入って凍死したとされ、遺族は国に対して損害賠償を求め、最終的には約4,360万円の支払いが命じられる結果となりました。

また、2012年には、拘置所内で提供された食事に起因する食中毒が発生し、53名の受刑者が下痢や腹痛を訴えました。この時はウェルシュ菌が検出され、神戸市は調理場の使用を一時停止する措置を取りました。これらの事例は、施設内での管理や食の安全についての重要な課題を浮き彫りにするものでした。

結論

神戸拘置所は、歴史とともに監視体制や処遇方針が変化してきた重要な施設です。法務省の厳格な基準の下、受刑者たちに対して人道的な処遇が求められる中で、様々な問題が露呈しています。これらの課題に対して、今後どのように対処していくのかが注目されます。

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