神獣 (聖剣伝説)

『聖剣伝説』シリーズにおける神獣

神獣（しんじゅう）は、スクウェア（現スクウェア・エニックス）が開発したコンピュータゲームソフト『聖剣伝説』シリーズに登場する、物語の根幹をなす架空のキャラクターです。複数の作品に登場し、シリーズの世界観を形成する上で欠かせない要素となっています。

『聖剣伝説2』における神獣

『聖剣伝説2』では、神獣は最終ボスとして登場します。しかし、その存在は単純な悪ではなく、太古の時代にマナをエネルギーとして利用した文明が、マナの枯渇と使用権利を巡る戦乱によって生み出された悲劇の象徴です。マナの要塞（当時の名称は「空中要塞ギガント」）が生み出す過剰なマナ吸収が、神々の怒りを買い、神獣が遣わされたとされています。

神獣はマナの要塞と激突し、その余波で世界は炎と毒に包まれ文明が破壊されました。その後、聖剣の勇者によって要塞が落とされると、神獣も姿を消し、平和が戻ったと伝えられています。本作では、小型の神獣が複数存在し、「神の獣」と呼ばれています。この「神の獣」たちが合一することで真の神獣が誕生します。その姿はフラミーに酷似しており、元々は同じ種族ではないかと推測されています。神獣はマナを回復させる能力を持つ反面、マナが急激に失われると凶暴化するという性質を持っています。

マナが減少したことで、世界中の神の獣が融合し巨大化した神獣が本作のラスボスです。マナの剣でしか傷つけることができず、魔法もほとんど効かないため、プレイヤーは攻撃を回避しつつ、タイミングを見て回復する必要があります。多くの犠牲と悲しみを乗り越えた勇者によって神獣は倒され、その欠片は雪となって世界に降り注ぎます。神獣の降臨はマナの力に魅入られた人間たちの過ちが招いたものであり、同時にそれを打ち倒したのも人間の勇気と知恵と愛でした。

『聖剣伝説3』における神獣

『聖剣伝説3』では、神獣は太古の時代に世界を危機に陥れた存在として描かれています。マナの女神によって8つのマナストーンに封印されていましたが、マナストーンが破壊されることで復活します。各神獣はそれぞれの属性の災厄を体現した姿をしており、全てが一つになると世界は滅びると言われています。神獣は倒される度に、残りの神獣がその力を取り込んで強化されるという特徴を持ちます。最終的には、主人公たちが全ての神獣を倒し、その力がマナの剣に宿ることになります。

以下に、各神獣の特徴を記します。

ザン・ビエ: 火の神獣。炎に包まれた鳥のような姿で、炎の竜巻などに姿を変えます。
フィーグムンド: 水の神獣。鰭を持つ爬虫類のような姿で、氷床の裏側に張り付くこともあります。
ランドアンバー: 土の神獣。機械のような姿で、露出した核のようなものや巨大な両腕が特徴です。
ダンガード: 風の神獣。左右違う色の頭を持つ鳥獣の姿で、空中で戦闘を行います。
ライトゲイザー: 光の神獣。脳のような球体の中央に大きな目がある外見で、テレポーテーションで移動します。
ゼーブル・ファー: 闇の神獣。道化師のような顔と女性のような顔を持つ三位一体の外見で、主人公によって出現場所が異なります。過去に闇の魔物と世界を荒廃させたことがあり、一度封印されたが、魔界から復活しました。
ドラン: 月の神獣。大きな角を持つ山羊のような外見で、強力な特殊技を持ちます。
ミスポルム: 木の神獣。ジャックランタンのような姿で、触手を振り回して攻撃します。

これらの神獣は時間が経過すると覚醒し、最終的に一つに融合して最終形態となりますが、主人公たちはその前に神獣を倒し、その力を奪い最終ボスとの戦いに挑みます。

その他のシリーズ作品における神獣

『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』では、ゼーブル・ファーが登場したり、フィーグムンドを連想させる地名が登場するなど、過去作の神獣に関連した要素が取り入れられています。

『聖剣伝説DS CHILDREN of MANA』では、神獣の昔の姿である「凶獣」が登場します。聖剣の力で凶獣から神獣が誕生したという設定で、神獣たちと直接出会うイベントも存在します。

『聖剣伝説4』では、石化した8体の神獣と思われる岩が海岸に横たわっている描写があります。

『聖剣伝説 HEROES of MANA』では、ゼーブル・ファーを除く神獣を召喚することができます。

『聖剣伝説 VISIONS of MANA』では、神界に属する存在として神獣が登場します。人間がマナの独占を企てた結果、神獣が暴走し、世界を滅ぼそうとします。主人公たちは、神獣の封印を解き放った敵と戦い、再び神獣を封印することを目指します。

このように、『聖剣伝説』シリーズにおける神獣は、作品ごとに異なる役割や設定を持ちながらも、物語の重要な要素として存在しています。マナの力と密接に関わり、時には世界の危機をもたらす一方で、その力を主人公たちが利用することで、物語が展開していく、魅力的なキャラクター群と言えるでしょう。

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