神道五心流

神道五心流（しんとうごしんりゅう）

神道五心流は、関根源太郎源正光によって創設された総合武術で、柔術を基にした流派です。この流派は、備中地方で盛んに学ばれており、他の流派からの技術を吸収しながら独自のスタイルを築いてきました。

歴史

流派の創始者である関根源太郎源正光は、上州の岩松萬治郎の家臣として知られています。彼は叔父の関根源左衛門安房から気楽流を学び、その後、家倒流、無相流、新神道流、石川流、楊心流の五つの流派を習得しました。これらの学びを基に、神道五心流を開発したのです。また、彼は剣術の使い手でもあり、神道無念流を岡田十松から教授されています。このように、彼の技術は多彩であり、流派の発展に大きく寄与しました。神道五心流は、気楽流の要素を加えて成り立っているとされています。

関根源太郎は備中で多くの門人を指導し、流派の普及に貢献しました。その中には、不遷流の田邊貞治も含まれ、彼の影響を受けた多くの武道家が存在します。

系譜

神道五心流の伝承には多くの弟子が関与していますが、ここでは特に重要な人物を挙げます。

• - 関根源太郎源正光
• - 片山敏太郎源重晴
• - 平山宗一郎源晴利
• - 平山四郎左衛門
• - 妹尾宝三郎
• - 大本百松
• - 沢根萬三郎
• - 二木敏太
• - 谷野実太
• - 三沢固
• - 八方真道
• - 山部秀一
• - 大月健一郎
• - 三宅治一郎源利康
• - 大江泰平源忠重
• - 沢根泰介
• - 田邊貞治

文献と内容

神道五心流の秘伝は、いくつかの伝書に整理されています。これらは「初傳之巻」「中傳之巻」「五十ヶ条」「免許之巻」「秘傳之巻」の五つから構成されています。各巻にはさまざまな技法や教えが含まれています。

初傳之巻

この巻には、十五の形が示されています。主なるものは以下の通りです。

• - 四ッ捕
• - 請捕
• - 引流
• - 臂返
• - 肩返
• - 撫込
• - 前捕
• - 通違捕
• - 錣返
• - 逆落
• - 洞落
• - 首返
• - 抱締
• - 引立
• - 總活
• - 血止
• - 晴月之活

中傳之巻

この巻では、裏手拾七形が記され、以下の技が含まれています。

• - 小手返
• - 握返
• - 胸捕
• - 逆落
• - 髪捕
• - 車落
• - 藤緘
• - 裏捕
• - 岩碎
• - 追懸
• - 連捕
• - 登藤
• - 下藤
• - 四車
• - 袖車
• - 空當
• - 鶏卵

五十ヶ条と免許之巻

これらの巻では、さまざまな柔術修行の心得や許可証が記載されています。技術の伝承や修行の心得が盛り込まれ、特定の技を用いる手法が詳述されています。

秘傳之巻

この巻には、特に高度な技術や秘伝が記されており、即死即倒の技術に関する詳細が含まれています。例えば、天道や松風、村雨などの名称が見られ、これらはそれぞれ異なる状況での対処法を示しています。

神道五心流は、その技術が繁栄し続けることを証明する一つの象徴であり、今日でも多くの武道家に影響を与え続けています。

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