神道殺活流

神道殺活流（しんとうさっかつりゅう）は、骨法の流派の一つであり、現在は伝承されていない武術です。この流派は、整体法である南條式変形徒手矯正療法（南條式療法）の母体となったことで知られています。

流祖は、南北朝時代から続く伯耆の羽衣石城主であった南條氏の子孫と伝えられる南條元続です。元続は、南條家に代々伝わる骨法に、明国（当時の中国）の武人から学んだ術技を加えて、神道殺活流を開いたとされています。ただし、その明国の武人の氏名や、彼が伝えた武術の詳細については、記録が残っておらず不明です。

神道殺活流は、単なる骨法体術にとどまらず、活法も包含していました。活法とは、武術における負傷や疾病に対して、手当や治療を行う技術のことです。この活法の側面が、後の南條式療法に大きな影響を与えました。

昭和時代に入り、南條禎成（1906年 - 1981年）は、神道殺活流に伝わる活法に着目し、それを発展させる形で南條式変形徒手矯正療法を大成させました。南條禎成は、従来の活法に、経絡治療やカイロプラクティックなどの理論を積極的に取り入れ、独自の治療体系を構築しました。この南條式療法は、手技によって身体の歪みを矯正し、自然治癒力を高めることを目的としています。

現在、神道殺活流そのものは伝承されていませんが、その流れを汲む南條式療法は、一部の施術家によって受け継がれています。神道殺活流は、日本の武術史において、骨法と活法の融合、そしてその後の整体療法への発展という点で、重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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