神道集成

神道集成（しんとうしゅうせい）は、江戸時代前期に水戸藩主であった徳川光圀の命を受けて編纂された神道に関する書籍です。この書は、光圀が神道における正統な教えを明らかにしようとした意図のもと、学者である今井有順（いまい ゆうじゅん）が中心となって編纂作業が進められました。今井有順の死後、その門下であった丸山可澄（まるやま かちょう）と津田信貞（つだ のぶさだ）が遺志を継ぎ、元禄14年（1701年）に完成を見ました。

内容は、全12巻で構成されており、巻一では神道の系図が示され、巻十二では一宮記倭姫世紀（いちのみやきやまとひめせいき）に至るまで、神道の歴史、教義、祭祀など、幅広い内容が網羅的に記述されています。この書物の特徴として、凡例には「凡そ是の書の始終両部習合の邪説を排して唯一宗源の正道に帰す」と記されているように、当時の神道における仏教の影響（両部習合）を排斥し、純粋な神道の教えを追求しようとする姿勢が明確に示されています。つまり、神道集成は、神道の本来の姿を明らかにしようとした、当時の思想的な背景が色濃く反映された書物であると言えます。

神道集成は、単に神道の歴史や教義を解説するだけでなく、当時の神道界の動向や、学術的な研究の成果をも反映した、貴重な文献としての価値を持っています。また、徳川光圀という当時の権力者が、なぜ神道書の編纂を命じたのか、その背景にはどのような意図があったのかを考察する上で、重要な資料となります。後世の神道研究においても、この神道集成は重要な文献として参照されています。

この書物は、単なる文献としてだけでなく、当時の思想や文化を理解するための重要な手がかりとしても役立ちます。神道集成が編纂された時代背景、そして編纂に携わった人々の思想を理解することで、日本における神道というものがどのように形成されてきたのか、より深く理解することができるでしょう。

関連事項として、神道用語一覧も参照することで、神道集成の内容をより深く理解することができます。

神道集成は、日本の宗教文化を研究する上で欠かすことのできない、重要な書物であると言えます。

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