禅家流

禅家流（ぜんけりゅう）

禅家流は、紀州の禅寺に所属していた僧侶、真刑部によって創設された柔術の流派です。この流派は主に西日本から仙台藩に伝えられ、特に宮城県石巻市の桃生郡中津山村で長い間継承されてきました。禅家流の伝統と技法は、現代においても多くの武道愛好者に支持されています。

歴史

禅家流の歴史は、紀州の真刑部が流派の開祖として位置づけられています。1992年に発表された『秘伝古流武術』の記事では、宮城県石巻市桃生町中津山において禅家流が伝承されていることが紹介され、その重要性が再評価されるきっかけとなりました。流派の歴史は長いですが、特にその技法や体系の継承が魅力的です。

技法

禅家流の技法は非常に多様であり、合計144本の型から構成されています。これらの技は、「一通」と呼ばれる12の基本的な取口に基づいており、さらにそれぞれが12段階の変化を経て144本に展開されます。具体的には、以下の12の取口が存在します：

• - 胸詰
• - 引捨
• - 追車
• - 使者捕
• - 朽木倒
• - 小柄返
• - 行違
• - 小腕返
• - 内蜻蛉
• - 膝車
• - 外蜻蛉
• - 捕分

これらの144の型は、上段・中段・下段にそれぞれ48本ずつ分けられ、段階的に教授されています。1992年の時点では、四段目までの48本の技が伝承されていました。さらに、当身技についても詳しく伝えられており、急所の数は133とされ、各急所へのアプローチも教えられています。

系譜

禅家流の系譜は、流祖である真刑部から十代目の木村利七までは詳細に記録されていない部分が多いです。しかし、木村利七以降の系譜は以下のように確認されています：
1. 木村利七（10代目）
2. 八木半太夫高門
3. 石井直五郎
4. 菅原淀介
5. 笹原兵右衛門
6. 高橋精一
7. 田浦東作
8. 佐倉久義
9. 大森信雄
10. 千葉長右衛門
11. 佐々木碩三郎
12. 志賀清兵衛
13. 高橋清太夫
14. 佐々木岩吉
15. 大友民次
16. 佐々木徳蔵
17. 半澤東作

このように、禅家流は数世代にわたって技能が引き継がれており、各代の師範による工夫や技術の発展が続いてきました。現在でも、この流派の技術や歴史に対する興味は尽きず、武道の愛好者による探求が続いています。

参考文献

• - 『秘伝古流武術』秋季号 vol12 1992年 p107
• - 『語り伝えられた桃生の昔々』
• - 小佐野淳著『近世やわら達人伝』p85

関連項目としては、仙台藩や紀州、石巻市、中津山村などがあります。これらの地域は、禅家流の伝承の背景として重要な意味を持っています。

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