福厳寺 (墨田区)

福厳寺の概要

福厳寺（ふくごんじ）は、東京都墨田区にたたずむ曹洞宗の寺院です。このお寺は1491年（延徳3年）または1541年（天文3年）に安充によって創建され、その歴史は長いものがあります。福厳寺は、一般的に「赤門寺」としても知られています。この名称の由来は、江戸幕府の第三代将軍、徳川家光が自身の父である徳川秀忠の追善供養のために寄進した朱塗りの門にあります。この赤い門は、その後1923年（大正12年）の関東大震災で焼失してしまいました。

その後、福厳寺は紀州藩中屋敷の門を譲り受け、再び朱塗りの門を設置しましたが、残念なことに1945年（昭和20年）には東京大空襲により、それも焼失してしまいました。現在の赤門は三代目のものであり、その歴史的な価値を持ち続けています。

墓所

福厳寺は、いくつかの著名な人物の墓所も有しています。特に注目すべきは、大石三平（高松藩家老）です。彼は赤穂藩の家老である大石内蔵助良雄の親族であり、吉良屋敷がある本所に居住していました。大石三平は赤穂浪士たちに便宜を図ったとして、その後勤皇の志士に襲われました。彼の墓石には、当時の事件の影響が見られ、上部と右側が大きく削られており、笠部も壊れています。大石家の家紋も大きな傷を負っていることから、その悲劇的な歴史を物語っています。

また、福厳寺には「夜嵐おきぬ」として知られる元芸妓の原田きぬも埋葬されています。彼女は殺人罪で死刑にされ、その生涯が多くの人々の記憶に刻まれています。彼女の生き様は、文学や映画で取り上げられたことでより広く知られることとなりました。

アクセス

福厳寺への交通アクセスは非常に便利です。本所吾妻橋駅のA0出口から徒歩わずか2分の距離に位置しており、駅からの経路も明示されているため、訪れる際には特に問題はありません。多くの人々がこの地域の歴史的な名所を訪れるため、ぜひ一度訪問してみてください。

参考文献

• - 小島惟孝 著『墨田区史跡散歩 (東京史跡ガイド7)』学生社、1993年

関連項目

• - 大石良穀
• - 夜嵐おきぬ

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