福居武

福居 武：東大阪出身の技巧派スクラムハーフ

日本のラグビー界でスクラムハーフ（SH）として活躍した福居 武（ふくい たける）氏は、1990年3月29日に大阪府東大阪市で生を受けました。身長177cm、体重82kgという体躯で、ニックネームは「タケル」。故郷である東大阪との繋がりを大切にしながら、プロの舞台で才能を発揮しました。

福居氏のラグビー人生は、小学2年生の時に始まりました。幼い頃からボールに触れ、楕円球の魅力にとりつかれます。その後、地元のラグビー強豪校として知られる啓光学園高校（現在の常翔啓光学園中学校・高等学校）に進学し、本格的にその才能を開花させます。高校卒業後は、関西のラグビー界で確固たる地位を築く大阪体育大学へ進学。大学時代には、スクラムハーフとしてチームの中心選手となり、その実力が認められ、U20日本代表や関東代表にも選ばれるなど、学生ラグビーシーンで将来を嘱望される存在となりました。

大学を卒業した2012年、福居氏は日本のトップカテゴリーであるジャパンラグビートップリーグに所属するキヤノンイーグルスに加入し、プロキャリアをスタートさせます。加入初年度の2012-2013シーズン、同年9月1日に行われたリーグ開幕節のNTTドコモレッドハリケーンズ戦において、先発メンバーとして公式戦に初出場。最高峰リーグの舞台で堂々たるプレーを見せ、プロ選手としての第一歩を踏み出しました。キヤノンイーグルスでは、トップリーグでスクラムハーフとしてチームの攻撃を組み立て、守備を統率する重要な役割を担いました。

2018年には、新たな挑戦の場として近鉄ライナーズへ移籍。近鉄ライナーズは、福居氏の出身地である東大阪市をホストエリアとするチームであり、まさに地元への凱旋となりました。近鉄ライナーズでは、ジャパンラグビートップチャレンジリーグ（当時）でプレーし、チームの勝利に貢献しました。また、地元出身選手として地域との関わりも深め、東大阪小売商業団体連合会による「東大阪のお買い物促進ポスター」に起用されるなど、フィールド外でもその存在感を示し、地元経済の活性化にも一役買いました。これは、選手が地域社会と連携し、ラグビーを通じて貢献する素晴らしい事例と言えます。

近鉄ライナーズで数シーズンにわたり活躍した後、2020年をもってチームを退団しました。福居 武氏は、小学時代からラグビーを始め、学生時代には世代別代表や地域代表に選ばれるほどの実績を積み、プロ入り後もトップリーグやトップチャレンジリーグの舞台でスクラムハーフとして長きにわたりプレーしました。特に、地元東大阪との繋がりを大切にし、キャリアの後半を故郷のチームで過ごし、地域貢献活動にも携わったことは、彼のラグビー人生における特徴的な一面と言えるでしょう。日本のラグビー界、特に東大阪を中心とした関西地方のラグビーの発展に貢献した選手の一人として、その名前が記憶されるでしょう。

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