福山市立動物園

福山市立動物園

福山市立動物園は、広島県福山市に位置する公立の動物園であり、国内で唯一のボルネオゾウが飼育されています。1978年に開園したこの動物園は、もともと私立の施設で、旧名称は「冨谷池動物園」や「冨谷レジャーランド」と呼ばれていました。初めはゴルフ場やキャンプ場、遊園地といった娯楽施設が密集していたエリアに設置され、レジャー施設の中心的な存在となっていました。しかし、経営の厳しさや施設の老朽化により、1978年に福城市の経営に移行しました。

歴史

開園当初は、現在のゾウ舎の裏手に正門があり、連絡橋の役割を果たしていた場所もありました。その後、徐々に公園の整備が行われ、1995年からは順次施設の改修が始まりました。訪れる人々に新しい体験を提供するため、ゴルフ場跡地は児童公園に、キャンプ場跡地には福山市役所芦田支所が建設されるなど、多様な利用目的に応じた施設が整備されていきました。2011年には、旧猛獣舎が改装され「ハンターの城」として新たにオープンしました。

展示内容

福山市立動物園は多様なゾーンに分かれており、それぞれ異なる動物たちを展示しています。特に注目すべきは「ハンターの城」で、ここではライオンやアムールトラなどの肉食動物を見ることができます。これらの動物は、それぞれの特性や行動を観察する貴重な機会を提供します。

また、サルゾーンではシシオザルやリスザル、ワオキツネザルなど、愛らしいサルたちが展示されています。そして、サバンナゾーンにはハートマンヤマシマウマやアミメキリンが生息し、彼らの自然な姿を観察することができます。さらに、走鳥ゾーンではオオヒクイドリやエミューなど、珍しい鳥たちが展示されています。

ペンギンゾーンではフンボルトペンギンやジェンツーペンギンが可愛らしさで訪問者の心を掴み、アジアゾウはその大きさと優雅さで来園者を魅了します。また、爬虫類館では様々な爬虫類の生態を学ぶことができるようになっています。

教育と研究

福山市立動物園は、教育機関との協力関係も築いており、岡山理科大学との連携により、希少動物の繁殖に関する研究が進められてきました。これにより、動物の保護や繁殖といった新たな取り組みへとつながっています。

特記事項

動物園では、1993年に生まれたアミメキリンの雄「ゲンキ」が特に注目されています。彼は先天的な脚の異常があり、歩行に困難を抱えていましたが、職員の努力によって作成された固定具を用いることで再び歩行できるようになりました。「ゲンキ」は多くの人々からの応援を受け、愛されている存在となっています。

アクセス

福山市立動物園へのアクセスは、JR福山駅から車で30分、山陽自動車道の福山東ICまたは福山西ICからも同様の時間で到着することができます。動物園は、家族連れや動物愛好家たちにとって、身近なレジャースポットとして親しまれています。

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