福岡ビル

福岡ビルの歴史

福岡ビル（ふくおかビル）は、かつて福岡県福岡市中央区天神に存在したオフィスビルで、地元では「福ビル」とも呼ばれていました。大手私鉄である西日本鉄道が所有し、同社の本社もここに入居していました。このビルは2019年3月に閉館し、その後解体されていますが、その歴史は1950年代に遡ります。

建設の背景

福岡ビルは、1958年に着工し、1961年に完成しました。建設地は旧福岡郵便局や隣接する銀行の跡地であり、当時の火災で焼失した天神町市場の復興という側面もありました。地元の要望を受けて、商業・文化施設を含むビルの建設計画が立てられました。最初は旧天神市場からのテナント入居が予定されていましたが、資金難により工事が中断し、最終的に西鉄本社が移転してくることになります。

経営の変遷

ビルの運営は、設立当初は福岡ビル株式会社が担当していましたが、1963年には九州土地興業がこれを吸収し、西鉄グループの企業に変貌。この後も西鉄が所有し続け、テナントの構成も変更を歴ました。屋上には一時的にヘリポートが設置されましたが、その後はビアガーデンに改装され夏季営業が行われるようになりました。

地震とトラブル

2005年には福岡県西方沖地震が発生し、ビルの窓ガラスが破損するトラブルもありました。古い取付方法であったため、全ての窓ガラスは新しい方法で交換されることとなりました。また、2010年には歩行者への案内看板が落下し、女性が軽傷を負う事故が発生しました。この原因は腐食したネジにあり、強風が影響したとされています。

再開発計画

2018年には、福岡ビルを含む再開発プロジェクトが発表されました。この計画では、地下3階と4階を駐車場に、地下2階から4階までを商業施設に、5階と6階をスカイロビーに、8階から17階をオフィスに、18階と19階をホテルにするという内容でした。後に、隣接する天神ビブレをも取り込んだ大規模な同時開発に変更がなされ、規模が拡大されることになります。

新しいビルへ

新ビルのホテルの運営は、福岡及び神戸でホテル事業を展開するPlan・do・seeが担当することが決まり、その名は「ONE FUKUOKA HOTEL」となる予定です。再開発に伴い、福岡ビルは2019年に閉館し、新しいビルは2025年に開業予定です。

構造と交通

福岡ビルは、地下鉄空港線の天神駅や地下街と接続しており、非常に便利なロケーションに立地していました。周辺は西鉄の主要停留所が多数存在し、利便性も高く、長年地元の人々に親しまれてきました。

福岡ビルは、地元の象徴的存在だったと同時に、多くの人々の思い出にも残る場所でしたが、現在は新たな開発が進行中で、新しい「ONE FUKUOKA BLDG.」が誕生することが期待されています。

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